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遥か彼方からの探索者  作者: アリカの手帳
棄てられた世界
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刻まれた足跡-α

前回の遺跡で見つけた地図の印の場所に行くと、何もなかった。

つまり発掘からということだ。

皆には下がってもらい、地質と、人工物がどの深さにあるのかを調べた後にプラズマ砲で大穴を空ける。

計算された出力ではあるがプラズマ砲は見た目が派手だ。

使ってる身としては不安にもなる。


遺跡の上部が露出するかと思ったが違った。

最初に出てきたのは遺跡ではなく探検家のものであろうキャンプだ。

人工物スキャンは距離しかわからないのでこういうこともある。

しかしなぜ地面に飲み込まれていたのだろうか。

深く考えてもしょうがない、土石流だとでも思おう。


さらに深くにあるようで、再びプラズマ砲を発射。

今回はさらに出力を絞ったがそれでも過剰なため直接ではなく周り撃つことで爆風だけ当てようとした。

すると穴の底が崩落して巨大な空間が現れた。

どうやら遺跡の上部まで壊してしまったらしい。


私がジェットパックで降下する。

と、ここにもキャンプがあった。

遺跡内部なので古代人のものか現代のものかわからない。

しかし、もしも現代のものだとしたら探検家たちはどこに行ったのだろうか。

酸素濃度の方は外気と同じため全員を降下させた。

上がる方法は今のところは私と機械2名で人間3人を抱えて飛び上がる予定だが、もしも緊急だったら船を突入させよう。


地面には何かが横たわっていたが、メタンガスや硫化水素、アンモニアが僅かながら検出されたため多分死体であろう。

そうすると酸素があるのが不思議だ。

霊安室にしては大きすぎるそこから次の部屋に行くと、床に明らかにまだ新しい傷があった。

探検家がつける印のようだ。

やはりこの遺跡に先に来たが、探検家組合に報告していない者がいる。

遺跡内で死亡したのか、それとも脱出後に秘密にしたのか。

印の付け方からして、別の場所から入ったらしい。

死体だらけの部屋は探索済みだという。


「なんか気味悪い⋯

さっきの場所も、ここも」

「セイゴ遺跡や前回の遺跡ではこんな感覚はなかった⋯

ナギサ、ガスは本当にないんだよな?」

「濃度は許容内だ。

完全に0というのは難しい」

<2人ともとくに中毒症状は出ていません。

身体的なことではなさそうです>

*でもわかるかも。

このイセキ、マっクラなのにもっとクラい*

「珍しい感覚だが⋯

ないわけじゃなかった。

この感じは多分魔物か魔獣がいるんだろう⋯

そう思おう、多分そのほうがましだ」

私以外は何かを察知しているが、私も私のレーダーもこの遺跡は死んだように静まり返っていることしかわからない。

魔物や魔獣がいるなら、物音ぐらい聞こえるだろうか。


さらに先に進むと階段が。

ようやくだと降りて、ガス・酸素は許容内。

火器はもうやめたほうがいいかもしれないが、破壊は炎なしでも行えなくはない。


残りの人を呼ぶ前に、一度周囲を照らして見る。


異様な光景だった。

おそらくこれを彼らは感知していたのかもしれない。

人が、おそらく生きていた当時の姿と姿勢のまま固まっていた。

立ったままのもの、座っているもの、壁によりかかるもの。

時間が止まっている、と表現するのだろう。

5人を呼び、さらに進む。

死体か、幻影か、触れる気が起きないので確かめようはない。


左右には大量の部屋が扉もなしにあったが、どこもこの動かない人でいっぱいだった。

探索するのは気が引ける。

彼らがおそらく動かされていないところからは、先に入った探検家も動かせなかったか、動かさなかったかのどちらかだろう。

マイラは口を開かないし、モルニヤだって喋らない。

静寂の中足音だけが響く。

デイヴィッドだって絶句しているあたり、この光景は彼にとっても異様なのだろう。


2階層ほど下がると大きなゲートのようなものがあった。

その周辺にはあれらはない、というかむしろ近くのあれらは逃げるような姿勢であった。

ゲートの向こうに行くと、異形の怪物が無数に。


なるほど、こいつらがいるから彼らは怯えていたのか。

「マイラ、モルニヤ、こいつらを排除できそうか?」

「これ、最古の魔物じゃないか?排除は生命機能停止まででやめて、研究機関に売っぱらおうぜ」

「いけます、魔法耐性はなさそうです」

私たちは動かないそれらに攻撃した。

血や肉が飛び散る、が空中でそれも止まる。

まるで私たちが触れている間だけ動けるようだ。


外の探索をしていたら、さらに下に行くスロープのようなものがあった。

巨大で、兵員輸送車ぐらいは通れそうだ。

「空気問題なし⋯よし、いくぞ」

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