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遭難、孤立-α
少し希望を失うことが。
なんとこの惑星の周囲数十光年に私が使うものとおなじ通信方式の通信基地がないようだ。
これではいくら救難信号を飛ばしても受信してくれるか怪しい。
となると、自力で元の基地に帰らないといけない。
なんとかしてワープドライブ暴走中の経路を知りたかったのだが、どういうわけか暴走し始めたあたりから暴走終了までのログが残っていない。
今私は、宇宙服を脱げば死んでしまう星に遭難している。
ワープドライブの損傷を直そうとしたら、何故か修理に使う予備パーツのうち、反物質炉の組立部品の大部分がなくなってしまっていた。一番ダメージを受けたのは反物質炉だったというのに、ついてなさすぎる。
メインウェポンはいとも簡単に直ってしまったことで、私は異星の草原に座り2つの恒星の下広がる緑を眺めながら途方に暮れていた。