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進行-δ

なんてこったい。

マイラのご両親が亡くなっていたなんて。

しかも、衛兵によりゃ戦闘はついさっき終わったとこだと。

「もう少し早く来れてれば」と嬢ちゃんが自分を責めないか、心配だ。


ナギサは…多分平気だろ。

なんとなくだが、あいつはこういう経験をしていそうだ。

マイラから村の惨状を聞かされても動揺せずに「次の被害者(キミ)が生まれないためにも、作戦は必ず成功させなくてはならない」とか言い聞かせてた。

しかし、マイラの方も不思議だ。

あの歳で両親を失ったら、普通泣き叫んで立ち直れなさそうなものだが、ナギサとの会話を聞く限り立ち直らずとも戦う意思がありそうだ。

…復讐に走らなければいいが。


次の日もその次の日も、マイラの精神を安定させるため可能な限りの贅沢をナギサと俺でした。

2人で交代でカウンセリングもした。


しかし、マイラは弱ったままだ。

ずっと俺のスキル「追体験(エダーウーデンレーン)」が発動したいと囁く。

こいつは対象が精神的に弱っている場合に記憶を追体験できるというもので、こいつが反応するってことはずっと弱りっぱなしだってことだ。


時間ってのは残酷だ。

葬式も祈祷もする暇もなく、作戦決行の日が来てしまった。

マイラの精神は悪化も改善もしなかった。

落ち込んでいる彼女といるとこっちまで気分が沈む。

なんともならないとは思いもしなかった。


ナギサが出発だと言う。

マイラはふらふらしながら行こうとしたが、ナギサに無理矢理ホバーボードに寝転がされて運搬されていた。

「ギリギリまで休め」とのこと。


第三騎士団の面々は俺たちのちょっと異様な雰囲気に気付いたのか、こっちをチラチラ見るぐらいで声もかけなかった。

まあ、そのほうがありがたいがな。


ソル川南岸はずっと守りきれてるみたいで、特に大きな襲撃もなく進んでいった。

まあ、ソル川が不規則に流れる速さが変わるせいで渡りたくても渡れないんだろうな。

ま、作戦上渡ることになってるんだがな。


今回の作戦は、国境のシェトレン城を取り返すことらしい。

第三騎士団はナギサの指揮下で援護に徹するらしい。

戦闘機を使わないという判断をした以上、一人じゃ厳しいものがあるから、言い方は悪いが(ヒト)が必要なのだろう。


ナギサから全員への指示は今のところ二つ。

合図があるまで攻撃をするな、そして城を再利用ができるようにできるだけ壊すな、というものだ。

目的はわからないが、厳しい戦いになりそうだ。

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