合流その2-β
モルニアさんは「再任できなくてやることないから、君たちについて行かせてくれ。囮役と盾役は必要だろ?」ということでついてきてもらえることになりました!
まあ私の護衛がメインになりそうな気がするけど、防御1600もあるらしいし大抵の攻撃は防ぎきってくれそう。
私もナギサも疲れたので、モルニアさんが宿屋を紹介してくれた。
そこの店主がモルニアさんに恩があるみたいで、宿代の受け取りを拒否してたんだけどナギサが一言も発さず20トラを無理矢理握らせて、
「彼は言葉が通じないんだ。だから払ってしまったんだろう。
払ったものを返すなんて、そんなことはしないだろう?」
とモルニアさんが言って宿代支払ってた(宿代ホントは3人で2トラ40モラなんだけど…)。
夜になってなんか豪華な食事が出てきたけど、モルニアさんいわく食事を提供する宿じゃないらしいし、ナギサのせいでしょうね。
当の本人は『この状態で飲み食いできるとでも?』と自分の頭を指してた。
寝るときになって、ナギサは『私は見ての通り寝っ転がれないから、立って寝る』と言い出して2人で反対したら、うつ伏せで寝るって。
結構凄まじい寝方だけど鎧の効果であれでもゆっくり休めるらしい…
立ってるよりはマシだと思ってそのまま就寝。
同じ値段の宿屋よりも格段に寝心地が良かったせいで、あっという間に寝付いてしまった。
ーーーー
日の出とともに起きることを心がけてたんだけど、ナギサはそれよりはやく起きてたみたい。
宿屋に掛かってる世界地図と何かを見て考え事してるみたい。
魔法の性質上ああいう状態の人に精神遠隔感応魔法を使うとすっごい不快に感じるらしいからそっとしておいてあげよう。
モルニアさんは大の字になっていびきを掻いてまだ寝てた。
焼き卵を乗せたパンを食べながらふと不思議に思ったことがある。
『ナギサってご飯も飲み物もいらないの?』
『いらなくはないが、どっちも鎧の中にあるから脱がなくても喉は潤せるしお腹は減らない 。
もちろん直接食べれればそれが一番いいんだけど』
モルニアさんは新聞を広げながらコーヒー飲んでる。
ただ、たまに新聞が逆さまだったりするから読んでるふりなだけなのかも。
食事が終わって次どこに行くか話し合いになり、「とりあえずアガラシとエムレーオの戦争を終わらせる」ことに決まった。
ナギサは交渉の仲介を、私はナギサの力を持ってエムレーオ軍の粉砕を、モルニアさんはエムレーオの首都破壊を考えたけど、ナギサの考えをもとに「交渉を進めるために少し暴力的な手段も使う」ことになりました。
そういうわけで、アガラシ王国の王宮へ出発です。