ありえないこと‐β
「冒険者失格…?」
「初めての測定で失格判定なんておかしいだろ!」
「それよりも体力0ってどういうことだ?あいつは死体だとでも言うのか?」
「自分で移動できるのに素早さ0もおかしい」
「攻撃0って、枕よりも弱いことになるが…」
嘘みたいなホントが今目の前にある…
ステータス測定板が割れて、表示されるステータスは全て最低値、どのステータスも0とかありえるはずがない…
「ど、どう考えても測定板の不具合です!長年使ってきたので壊れちゃったんでしょう!」
するとBランク冒険者の人が石板の破片をパズルみたいに組み直して、手をかざした。
「体力3000、攻撃430、防御600、魔法力15、素早さ102、賢さC、ランクはC…
少なくとも俺の能力ランクは正確に判断してくれたようだ」
私も手をかざす。
体力1300、攻撃1300、防御250、魔法力1600、素早さ108、賢さB、ランクはA…
私はギルドの方式で測定したことなかったから魔法力以外正しいかどうかわからないけど、そんな大きく外れた値じゃない気がする。
その後も、いろんな人が手をかざして測ると、測定板はバラバラに割れているにも関わらずほとんど正確な値を出し続けた。
最後にナギサが手をもう一度かざすと、測定板が破裂してしまった。
流石にもう読めない。
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数分後、ギルドに来訪者が。
「…なんだ?いつも騒がしいギルドがまるで葬式みたいじゃないか」
質素ながら何処か威厳のある格好の人だった。
「…何があったか、説明してくれる人はいないのか?」
すぐさま受付がその人の元へ行き、さっきまでのことを説明した。
「なるほど、その問題の奴はどこだ?」
受付がナギサを指差す。
ナギサのことをしばらく見たかと思ったら、急に目を大きく見開いて驚いた。