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四十五話 玄花の目薬


 次の目的地まで、みっつの小さな村があった。


 田畑たはたを耕す手伝いや、大食い大会、ロープと切りかぶなんかで遊具ゆうぐも作った。


 あと綺麗な花を咲かせる、食べれる植物のたぐいも植えた。


 観葉兼食用、みたいな植物があるらしい。


 王宮のジルバが言っていた。


 そう言えばジルバは結婚したらしい。


 貴族に生まれたからには決まっていた結婚だった、と。


 なんだか祝福しゅくふくしてもいいの?って心地。


 入ってきた情報がそれくらいだったから、イヤな結婚だったらどうしようと思った。


 サクラ君に相談すると、無事に帰って確認とろうな、って言われた。



「・・・私のこと、まだ好きですか?」



 はっと息をのんだサクラ君があからさまにおどろいていた。


「・・・はい。いております。あなたのことを・・・」



「無理をされていませんか?」


「そういうことじゃないです。愛しています」



「えっ」


 サクラ君は私の手を両手でにぎって、こちらを見つめて言った。


「愛しています、アメ」



 はっとして雷に打たれた気分だった。


 しばらく動けなくなる。


 そこにラクが現われて、聞こえていましたよ、と微笑む。



「まずは、この旅を乗り切らねば」


「・・・ラク」


「ラックでもいいですよ、アメ」


「ラック・・・古代兵器ゼーウスの移動手段いどうしゅだんって詳細しょうさい知っていますか?」



 少し間があった。


 困ったようにほほを人差し指でかくラック。


 うーん、と少しうなっていた。



「知っているんですか?」


「はい・・・少しばかり」



「それは、何?」


「タイムマシンなんです」



「はぁ!?なんでそんなことにお金使っているのっ?」


「国のためです」



「国って、何ですか?」


「国とは人があってなんぼのもんです。僕はそう思ったから機械化した」



 言葉に詰まってしまって、泣きそうになったのをぐっと自分をりっした。



 ――古代兵器はタイムマシン??



 ――

 ――――・・・



 目的地は酒屋さかやで、薬草園やくそうえんを持っているらしい。


 薬草酒やくそうしゅ製造せいぞうしてくれている所を視察しさつってことらしい。


 王宮の貴重な苗を贈ると喜ばれた。


 それから意外にも、特殊な目薬を製造しているのもここ。


 魔女ネヴァンが長らく生きているのはハゲドク山の瘴気が平気だから。


 もしかしたらネヴァンが瘴気を放って山ひとつをぎゅうじっている。


 でも瘴気のサンプルとカルテによって瘴気対策しょうきたいさく目薬を作ってもらえた。


 翡翠髪のサクラ君は特別性の目薬でないと失明するおそれがるらしい。


 しかも貴重な成分でできているので、大量には作れないらしく最小限さいしょうげん


 それでも全員と同じくみっつ貰って、国に感謝しますとサクラ君が言った。


 予定より多めに作ることに成功したから、皆が感動中、私は目薬をにぎりしめた。



 ――ネヴァンはサクラ君の里を焼いた犯人・・・許せない!!



 酒屋では葡萄酒ぶどうしゅやりんご酒も売っていて、大量に注文をした。


 まず、その場で飲もうってことになって、ルシーナは大盛り上がり。


 葡萄酒の赤の一番安いやつをラクが注文して、皆おおはしゃぎ。


 一般庶民の味は、一番安いやつらしい。


 いくらかかるのかと思ったのに、安くあがった・・・


 飲めや歌えや、嬉し泣き、なまりで喋りだして何を言っているのか分らない現象げんしょう


 あとは全員がその場で眠りだし、いびきをかいたりしていた。


 

 その様子を苦笑しながら見ていたサクラ君とラックと三人兵と私。


「兵士、皆、可愛い!でも大丈夫かな?」


「大丈夫すぎるだろ」とサクラ君。


「安酒ひとり四本まで、って上限じょうげんつけていてよかった~」とラック。



 ひっく、ひっく、としゃっくりをしているのは三人兵。


「アメ~。アメも飲んで~」


「わ、わたしはお酒に弱くて・・・さっき少しいただいたし」


「いいから、いいから」


「飲んで、飲んで」



 うながされて一気いっきに飲んで、けっこうな秒数びょうすうがたつと周りから「おお」っと声が出た。


 更に少しえて飲み続け、ぷはっと瓶の口を口からはなすと三人兵が歓声かんせいを上げた。


 ラックは苦笑、サクラ君は・・・大爆笑中。



 一度、してみたかったんだぁ。


 前世でテレビとかで見るに、こんなのしてたなぁって思って。


 祖父母も盛り上がる飲み方だって言っていたなぁ。



 ――

 ――――・・・


 翌日は休暇きゅうけい


 皆が眠っている。


 私も用意された場所で眠っていて、寝返りをうつと何かにぶつかる。


「ん?」


 数秒して唸るそれにうっすら目を開けると、そこには寝転んだサクラ君。


「眠いねん。まだ何もしないので、君も、眠って・・・お休み」


「ひ、姫の寝所しんじょに・・・」


「はっはー、したいんけ?」


「おやすみなさいっ」


 そう言って数秒後、私は酔っている件もあり、サクラ君がびっくりする早さで眠りに入ったらしい。


 こちらとしては隣に眠っているのがサクラ君だったから安心しただけなんですけどね。

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