四十話 風通信
ラク・フレイアから知らせが来た。
どうやら魔女が眠りから覚める前に、ルシーナが出発する見込みがたったこと。
それから、自由同盟国と契約したから、ルシーナの食べ終わった缶詰を調達する派遣された係が同行する予定である、と。
どうも自由同盟国では、密かな文明が根付いているらしい。
ガラクタ街とか呼ばれる場所があったりするんだそうだ。
旅の同行について、魔女が目覚めると瘴気が発生する。
それまでの間は、自由同盟国の技師でもある派遣調達係がラクを診てくれるらしい。
ラク・フレイアの身体は、もう製造がされていない部品がある。
それを作れるかもしれないのが、その自由同盟国の技師らしい。
それから、ハゲドク山にいるはずの魔女に対面できるのは実質『数人』らしい。
毒、そう、毒がひどい。
特製の目薬が開発されいるけど、ハゲドク山の瘴気は常人の肺を数秒で侵す。
そこに来て、物質精神バリアを張れるルシーナの補助のもと、精鋭が魔女と戦う。
精鋭とは、瘴気にあながち抗体を持っている者。
まず、私。
聖の魔法で瘴気が効かない。
それからサクラ君とラク。
サクラ君は翡翠髪の特徴として毒気に強い天然体質。
ラク神父は機械改造をされている分、おそらく瘴気に対応できる。
それからラク神父の義理の息子たちである三人兵。
強力バリアを張れることが分かって、料理係なのに戦闘援護として選ばれた。
とりあえず三人兵が、ラックと一緒じゃないとイヤだとごねたらしい。
・・・だからって、バリアの強度がぐんと上がるってすごいな。
一念、ってやつなのかな。
三人兵とは風魔法で通信の練習をして遊んでいる。
最近はルシーナの風魔法使いたちに、三人兵が呼びかけているらしい。
風魔法通信が訓練の中に入りそうになっているとのこと。
私は立場上、なにかないとそれはしたらいけないらしい。
前世の記憶からすると、その干渉はまるでラジオの電源。
片耳横に小さなノイズのあと「ふつり」と気配(krはい)と音がなくなる。
ルシーナが訓練しているのは、通信を切ったあと風に上手く音を混ぜて消すこと。
なぜか三人兵と私は、最初からそれができるので私情で話をしたりしている。
今日の三人兵は様子が違って、大量炊き出しの実習を兵舎内でするらしい。
メニューは鶏肉と大根とゆでたまごの煮付け。
これはものすごく喜ばれたらしい。
ゆでたまごの殻剥きは、ヒビを入れあとバリアの中に入れて風魔法で出来たらしい。
何回かに分けたとは聞いてるけど、なんだかすごいなぁ。
1回で出来るようになりたい、とか風通信が来た。
――頑張ってるなぁ。
最近は一連をバリアの中で料理する『バリア料理』の思案をしているらしい。
とにかく三人兵のバリアは、彼らの人見知りパワーみたいな拒絶ですごいみたい。




