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三十壱話 王宮での暮らし

【豆知識】

侍女:じじょ・・・女性のめしつかいのこと。


 内装ないそうはなにもかもがピッカピカで、掃除が行き届いた清潔せいけつな空間。


 荘厳そうごんな空気に、自然と口調くちょうが変りかねないほどの。


 着ているのは上質な布でできたドレス。


 私の場合、イメージカラーはざっくり黄色か水色、ってことになるみたい。


 侍女じじょさんたちに、ピアスをもらった件とかを話してみたら盛り上がった。


 もっとつんけんしてるひとだと思っていた、と。


 どうも私の異世界転生は王宮内で知ってるひとといないひとがいるみたい。


 もしくは、王宮とか姫っていうイメージがそう言ったのかも。


 レイン姫の母は、昔、美味しいと思う食べ物を捨てる分まで牛耳ぎゅうじった美女。


 なのでイメージが悪かったらしい。


 ただ、嫁に来てすぐに妊娠したから王様もメロメロだったらしい。


 ・・・レイン姫は母親似の顔。



 ――信じがたいほどの美女だったなぁ、謁見えっけんの時にびっくりした。



 鏡を見るとそこに映る『自分』の姿・・・


 

 ――私は、『アメ』・・・でも、レイン姫としてつとめをたさなきゃいけない。


 

 食事に牛ステーキが出た。


 つばを飲み込んで、「いいんでしょうか?」とシェフに聞く。


 気の良いシェフが、あなたは特別な立場だからいいんです、と言う。


 フォークでおさえて、ナイフで切って、かぶりつく。


 テーブルの内側で足をばたばた動かしたくなるくらい美味しい。


「さいこーう」


 

 ――・・・サクラ君やラク神父たち、今頃どうしてるかな・・・?


 

 食べたいものは食べておきたいし、でも、ひとりで食べるのは少し罪悪感がある。


 皆で一緒に美味しいものを食べれたらいいのに、とか思ってしまう。


 

 肉も魚も食べた。


 それから数日後、王宮内に知らせがあった。



 レイン姫は、アメ姫と名を変えました、と。


 それは天啓てんけいによるものです、と。



 それからの私は、きらきらふわふわした生活の中、『アメ姫』として生活した。



 どうもサクラ君やラク神父たちは、私と村での約半年分の詳細報告しょうさいほうこくいそがしいようだった。



 ――パルゼン芋、また食べたいなぁ。



 ・・・そうだ、王宮内で何かできないかな?


 私にできること。



 そう思っている時に、知らせ役が自室にやって来た。


 読み上げられたのは王と王妃からの伝言。



「アメ様、王様とお妃様が、ラーメンを所望しょもうしておられるそうです。可能ならって欲しいと」



 ――おお・・・ラーメン!


 

 そうか、簡易麺の件、どうなってるんだろう?


 採用って言われてたけど・・・


 簡易麺になっても、普通・・・そうか、王様とお妃様は簡易麺は食べない、か。



 ――インスタントラーメンとかだと・・・あれ?カップ麺が『簡易麺』?



 厨房ちゅうぼうにおもむき、エプロンをして料理人たちに協力してもらってラーメン作り。


 生麺なまめんがあって助かった。


 そこらへんは王宮のシェフたちが用意してくれた。


 くるくるハンドルを回すと麺生地めんきじばせるやつとかあった。


 そう言えば、興味本位で聞いてみたらフードプロセッサー的なものがあった!


 片付けに時間がかかるのか聞いたら、料理人たちが集中して、と言う。


 そう言えば王様とお妃様のためのラーメン!


 頑張らねば!


 なんだったら命がけなのか・・・?


 器の底に「全部食べてくれてありがとう」的な文字を用意するとか・・・


 いいや、ここは異世界。


 なにが命とりになるのか分からない。

 


 ――頑張らねば!


 

 できたのは鶏ガラでだしをとった、醤油ラーメン。


 ゆでたまご、小口切りのあさつきをそえた。



 ――あさつきがあるってなんだか意外だなぁ。



「ここでは熱々(あつあつ)のものを食べる習慣しゅうかんってありますか?」



 出されたラーメンは熱々のものを極力さけてる王様とお妃様に喜ばれた。


 そして「美味しかったら簡易麺の件を通して欲しい」とえた。


 するとそれは採用されていて、すでに試行錯誤がされているらしい。



「お湯をさせば3分の簡易麺、作れるんですよね?」



 相談されたのは器。


 そしてこの国が、できれば土にかえるものがいい思想しそうであると知った。


 心当たりがあると言ったフェルナルドの分もラーメンをふるまった。


 すると、もろこしプラスチックの話が出てきた。



 ――ここは素直に言っておこう。



「フェルナルド、変な意味はなくお友達になりたいかも」



 フェルナルドは手を叩いて大笑いをした。


 どうもフェルナルド・ゴッテス、お人好し。


 お話をするに、本当に『お友達』になりたい。


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