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二十四話 ナイスの鉢の回収



「ナイス回収でーす、ナイス回収でーすっ」


 そう言って外から業者ぎょうしゃが来た。


 

 偶然、普通の服を着て村の子供達と「お茶会」をしているところだった。


 子供達が「紅茶を飲んでみたい」と言い出したから。


 これは意外だった。


 村のひとたちが紅茶を飲んだことがないひとでほとんどであること。


 話に出てきた「赤いお茶」と言われ、普段どんなお茶を飲んでいるのか聞くと「黄色」だと言う。


 そっちのお茶を飲んでみて、なるほど無限に飲めそうなくらいあっさりして美味。


 そして村の子供達が紅茶を飲んでみたい気持ちも分かる気がした。


 それで叶ったのが今回の、ラク神父たちの青空お茶会。


 紅茶の淹れかたを説明して、子供達が淹れてくれた紅茶を青空メンバー全員で飲む。



「なかなか美味しいな」とラク神父。


「ええな」とサクラ君。



「俺、紅茶嫌いだったのに」


「俺も」


「俺もだ」


 と、三人兵。



 そこに、「ナイス回収」の声が響いて、人々が軒先のきさきのナイスを渡している。


 私が聞いた。


「あれは、何?」


「ナイスの回収ですよ。ナイスは一年に何度か実ると、成樹せいじゅしないと実らない。成樹すると大量に実をつけるし、美味しいんです。まだ王宮に知れて間もないので研究途中なんですって」


「研究?」


「成樹には十年かかるんです」


「それまで・・・実をつけない?」


「そうなんです」


「・・・ほ~・・・」


「おや、また何か思いついたんですか?」


「いえ・・・全然」


 肩をすくめて微笑して、「こりゃ残念かな」とラク神父。


 子供たちが、「回収に小銭こぜに発生はっせいするんだよ」と言う。


「なるほどなぁ。いままではどうしていたの?」


「「「森に植えてた」」」


「なるほど~・・・」



 ナイスの缶詰ってできないかな?


 そのためには成樹ってやつを早くして、とか・・・


 異世界だから魔法あるみたいだし・・・



 ああ、そう。


 成人した木のことを「成樹:せいじゅ」って言うらしい。



「サクラ君・・・」


「ん?どうしてん?」


「もし、ナイスのコンポートの缶詰かジャムができたら嬉しいですか?」


「つまり大量生産?」


「はい。まだ何も思いついてないけど」


「嬉しいに決まってるやん」


「うんうん・・・何かきっかけがないかなぁ、って思っています」



 お茶会のメンバー全員が、小さく何度もうなずいた。


 お茶をすする。


 子供達の中の誰かが言った。



やさしい、ってすごい・・・」

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