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二十話 異世界ラーメン 其の壱


 ・・・ほんっとうにビックリ。


 屋台が来たんだけど、ラーメンみたいな食べ物発見。



「か、からーいっ・・・あ、でも美味しいかも」


「今、水を飲むな」



「え?うわ、うわーーきたーーー!!かっら!かっら!こんなことで死にたくないぃ」


「それは大げさやろ」



 店主が、いいリアクションをするなぁみたいなことをなまりで言ってる。


 軽く咳をしながら、ふと疑問に思う。



「ここって、ラーメンってありますか?」


「麺屋台はあって今食べてるやろ?」



「あの~・・・インスタントラーメン、とか」


「・・・ああ!簡易麺かんいめんのことか!あるで。今度買って来るわ」



 ――

 ――――・・・



 後日、サクラ君が隣町に行って「簡易麺」を買って来てくれた。


 器に空けてお湯を注いで、数分待つと、麺から出汁が出てくる。


 多分それは「即席麺そくせきめん」ってやつだなぁ。



「うーん・・・」


「うーわー、なつかしい匂い。昔は軍隊用だったんです」とラク神父。



 食べてみて、二口目で、「うん」と自然と言った。


「おいしくない・・・」



「なんで?」


「七味入りのピーマン風味の少しすっぱいコンソメみたいな風味・・・美味しくない!」



 戦う者にとって、昔は美味しいものだったのかもしれない。

 

 コンソメ的なものだとすると、栄養バランス考えてあるんだろう。


 ただ・・・


 あちらのラーメンを知っているものとしては・・・


 あんまり美味しくない・・・



「もう、買い物に行こう!」



 そう言って一般人風の服に着替えて、サクラ君と三人兵とお買い物。


 そう言えば意外かもしれないけど、三人兵は料理ができる。


 料理の話に花が咲く。


 特に今回の話題は「簡易麺」と「ラーメン」。



「そのまま、ってこと!?」


「うーん・・・それは向こう側の技術でも叶うかどうか分からない」


「ほうほう。風魔法とかでどうにかならないの?」


「え、ノンフライ麺みたいなこと!?」


「うーん・・・揚げてない麺?そっちも辛いけど何?」


「麺は辛い味付けだっていうのが定番なの?」


「「「そう」」」


「うーわー・・・わたし、辛いのが苦手なんです」



「じゃあ、こちらの簡易麺は?」


「あれ、何で味付けしてあるの?」


「そちらで言う『コンソメ』的なものだよ」


「せめて醤油をしたい・・・」


「はぁ!?」


「乾いてないと保存できないでしょうに」


「食べる時とか・・・」



「うーん・・・向こう側のラーメンってやつ、食べてみたい!!」


「うん、僕も」


「うん、俺も」


「サクラも~」


 皆が勢いよく、今まで黙っていたサクラ君にふりむいた。


「な・ん・て!?」


衝撃的しょうげきてきってそんな表情のこと言うんやな。はははっ」


「笑ってる~」



「はよう、行くで~」



 市場におもむき、色々と見て回る。


 ネギと鶏肉数種とショウガと・・・とんこつはないみたいだから、あさり。

 

 運がいいことに、醤油と簡易生麺が手に入った。



「すっごい値段だぞ、村人全員分は!?」


「これは大鍋で作ります。村人にはすこしずつ・・・ラク神父に即席麺や簡易麺の向上を城に申請してもらいます」



 そして村に戻って、さっそく料理。

 

 鶏肉をがいたり、ゆでたまご作ったり。


 あさりは砂抜きしてあって手間がはぶけた。


 鶏肉とあさりと乾燥昆布かんそうこんぶを別の大鍋で数時間煮込む。


 その間にゆでたまごの殻をむかなきゃいけない。


 この作業を見ていた三人兵以外の衛兵たちが、「手伝います」と言ってきた。



「確実に美味しいから、手伝うから多めにくれ」


「それでいいですよ~」



「なら我々も手伝う」



 大きなため息を吐いて、腰をこぶしでトントンと叩いた。



「そろそろ休みたいので、8時間後に起こして下さい~。火の番をして~」


強火つよびにしたら」


「めっ」


「え?」


「ダメです。弱火でです。弱火でコトコトです」


「弱火でコトコト?メモしておこう」


「ゆでたまごはまず真ん中に一周ひびを入れてひびの道を指でつくったら、むいてね」



 そのあと疲れでふらふらしている私を、サクラ君が部屋に連れて行ってくれた。


 着替えをして、ベッドにうつぶせに軽く倒れる。


 腰上をまたいだサクラ君は「よう頑張った」と言って、身体をもんでくれた。


 感動して泣いている間に、いつの間にか眠っていた。


 ――

 ――――・・・


 朝、自分のいびきで目が覚めた。


 はぁ・・・そうとう疲れいたのね、私。


 疲れるといびきをかきやすいことも前世のテレビ情報として持っている。


 問題は、サクラ君。


 隣で・・・眠っている??



「おは、よう」



 目をつぶっているから眠っていると思ったのに起きてる!?


 目を開けてサクラ君がランジェリー姿の私を見る。


「可愛いで」


「なにかしたんですかっ!?」


「なんで?身体触ったけど?」


「どこを!?」


「なんで?背中もんだやん?」


「ああ。なんだ。ビックリした~」


「わしかて疲れててん。起きて、スープの様子、見に行こうや~。気になるねん」


「はっ。スープ」



 身支度をしている私は、首筋に紫色のあざみたいなものを見つけた。



「こ、これは・・・なに!?」



 サクラ君が鏡ごしに近づいて来て、肩に触れると耳元で言った。



「キスマーク♡」

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