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05 愚かなり、実に愚かなり。愚かの極みなり。

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――フランドルフ伯爵家――



あれほどノザンとライカには幼い頃から『お前たちは我がフランドルフ伯爵の男だ。妻に選ぶならば必ず悪役令嬢と呼ばれる女性を選べ。悪妻は100年の不作と言うが、悪役令嬢は金の草鞋を履いてでも探せ。良いな!』と教え込んできた。

しかし、ノザンの愛した相手は悪役とは無縁の天使のような彼女だと言う。

反対に悪役令嬢であるローザンヌ・フォルデア公爵令嬢を、野蛮だの筋肉ダルマだの好きかって言いおって……これがフォルデア公爵家に伝わればノザンは廃嫡間違いなしだろう。

そんな中、ついに恐れていたフォルデア公爵家から手紙が届いた。


ノザンの廃嫡決定か――そう思われたが、なんとローザンヌとライカの婚約の打診であった。



「おお!! ライカがローザンヌと双方思いを通じあっての婚約打診らしい!」

「「まぁ!!」」

「実に素晴らしいが、君たちはどう思う?」



そう妻に告げると、俺の妻であるローゼリアは「どの程度の悪役かに寄りますが、調べはつけておりますわ。悪役と言うよりリリーを引き立てる為のヒール役に仕立て上げられている女性ですわね」

と、ローゼリアが言う。


息子の妻であるミニアーナは、「本来悪役と言えばリリーの方でしょうけど、あちらは股が緩そうですわ。そんなの悪役ではなくってよ。わたくしはライカとローザンヌを支持します」と伝え、我が歴代の【悪役令嬢】二人から了承を得ると、直ぐに婚約に関して是非にと言う返事を出した。

話し合いは二週間後に行われる事となり、その前一週間の間に双方から話を聞く事となったのだが――。



「はぁ!? あの筋肉ダルマとお前が婚約するだと!? ならん、ならんぞ!!!!」

「双方合意の上です。クソ馬鹿兄貴は黙っていてください愚兄めが」

「なっ」

「それで、ローザンヌと俺は是非婚約したいと思います。無論、愚兄が先に婚約するべきでしょうが、そういう事が出来る【お相手】ではないようですので」

「ああ、リリー・フィフィリアン男爵令嬢か。あの娘と今後も付き合うなら廃嫡だな」

「廃嫡……」

「幸い頭のいい跡継ぎは一人いる。ノザン、お前が居なくとも問題ないと言う事だ」

「お、俺を廃嫡ですって!?」

「「廃嫡するわよ? 当たり前でしょう?」」



そう声を揃えたのは祖母と母だ。

これには顔面蒼白になったノザンは「あ」だの「う」だの言って椅子に座り直した。



「我々が何も知らないとでも思っているのか? 学園と言う名の場であっても親の目とは常に光るものだ。ノザン、お前は最低ランクのEランク。せめて来年Bまで上がらなければ我がフランドルフ家の跡は継げんぞ」

「そ、そんな……」

「しかも股の緩い頭のネジも緩い女に熱を上げて見っとも無い。今すぐ廃嫡したいくらいだ。こちらも我慢している事を覚えて置け」

「!?」

「お前とも関係を持っているようだが、既にお前と同じ取り巻き達と身体関係はある女だ。そんなものを我がフランドルフ家に入れると思うか? 答えはNOだ」

「あ、ああ……」

「それでもリリーと真実の愛と笑わせる事を言うのなら出て行ってもらって結構。我が家は何も痛手はない。寧ろお前が居ない方がライカ達は上手くいくかもしれん。いっそ廃嫡するか?」



そう祖父にすら言われ愚兄は意気消沈して椅子に項垂れている。

必ず自分が跡を継げると踏んでいたのだろう。

愚かなり、実に愚かなり。愚かの極みなり。



「それで、ライカちゃんは本当にローザンヌ様と結婚を目標に婚約したいのね」

「是非!!! とても素晴らしい方なのです!! 俺は彼女に初恋と二回目の恋まで致しました!!」

「きゃあ!」

「正に情熱的ですこと!」



そう言うと愚兄が信じられない者を見る目でこちらを見てきたが無視した。

見た目に騙されて彼女の良さを見なかった貴様が悪い。



「彼女とならお爺様やお婆様、お父様やお母様のような夫婦になれると確信しております! ちょっと立場が男女逆転してしまうかもですが……」

「ふふふ、ライカ? それも一つの愛の形ですよ」

「はい!!」

「ノザンはライカの事を落ちこぼれと呼んでいたが、事実どっちが落ちこぼれかは一目瞭然だな」

「くっ!」



家族総出で冷たい目で見られるノザンには悪いが、愚兄が全て悪いと思う。

あんな股の緩いリリーにまんまと嵌められて、馬鹿みたいじゃない。

ああ、元々馬鹿だから気が付かないのね。



「来週公爵家にて婚約の契約を果たしに向かう。ライカ、良いな?」

「はい!! 早く公然の中になりたいです!!」

「「まぁ!! ホホホホホ!!」」

「彼女の方が先に卒業してしまいますが……」

「その時は我が屋敷にて色々とお勉強が始まります」

「しっかりと私と母に任せなさい」

「はい!!」

「俺は断じてローザンヌがこの家に来る事を許さない!!」

「なら廃嫡だ」

「っ!!」

「家令よ、直ぐに廃嫡の手続きをするべく書類を集めてきてくれ」

「お、お待ちください!」

「待たぬ。貴様は我が家に必要ない」

「……ローザンヌとライカの仲を……認めます。ですから」

「だが、お前が廃嫡になる事は変わらんぞ」



祖父のその一言が決め手となり、愚兄は言葉もなく立ち上がり部屋を去って行った。

その後ノザンを屋敷にて一か月の謹慎処分とした両親と祖父母は、ノザンの気持ちが落ち着かなければ廃嫡とすると決定したのだ。

実にいい案だと思う。

落ち着いたふりして暴れるだろうけど。



「ライカは実にいい目をしていたのね」

「ローザンヌは見た目がとてもアスリートのような身体をしていて背丈もとても高いとか」

「はい、でもそこも含めて素敵だと思ったのです……俺は彼女が良い」

「本当に愛しているのだな」

「はい……」



思わず頬を染めて口にすると祖父母と両親から祝福を受け、一週間後公爵家に赴く事となった。

そこでは――。

読んで下さり有難う御座います!

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