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第199話 防衛戦(1)

 その日──俺たちがドワーフ大集落ダグマハルに到着した日と、その翌日は、特に何事もなく過ぎ去った。


 すなわち、集落の長・英雄バルザムントが帰還することもなく、モンスターの襲撃もなかったということだ。


 俺たちはその間に、せっかくなので、ゆっくりと骨休めをした。

 時は経験値なり、タイムイズエクスペリエンスなので、ついつい無理をしがちな昨今。

 ノーリスクで休めるときには、しっかり休んでおきたい所存だ。


 また休息中にあらためて、スキル修得とステータスの確認を行った。

 今の俺たちのステータスは、こんな具合となった。



六槍大地

レベル:37(+5)

経験値:379734/390112

HP :259/259(+61)

MP :224/224(+56)

筋力 :32(+3)

耐久力:37(+4)

敏捷力:27(+3)

魔力 :32(+4)

●スキル

【アースヒール】

【マッピング】

【HPアップ(耐久力×7)】(Rank up!)

【MPアップ(魔力×7)】(Rank up!)

【槍攻撃力アップ(+26)】(Rank up!)

【ロックバレット】

【プロテクション】

【ガイアヒール】

【宝箱ドロップ率2倍】

【三連衝】

【アイテム修繕】

【命中強化】

【グランドヒール】

【隠密】

【ロックバズーカ】

【回避強化】

【アイテムボックス】

【テイム】

【ストーンシャワー】(new!)

【重装備ペナルティ無効】(new!)

残りスキルポイント:0



小太刀風音

レベル:37(+4)

経験値:370426/390112

HP :189/189(+14)

MP :168/168(+43)

筋力 :27(+2)

耐久力:27(+2)

敏捷力:46(+4)

魔力 :28(+3)

スキル

【短剣攻撃力アップ(+32)】(Rank up!×4)

【マッピング】

【二刀流】

【気配察知】

【トラップ探知】

【トラップ解除】

【ウィンドスラッシュ】

【アイテムボックス】

【HPアップ(耐久力×7)】

【宝箱ドロップ率2倍】

【クイックネス】

【ウィンドストーム】

【MPアップ(魔力×6)】(Rank up!)

【二刀流強化】

【回避強化】

【隠密】

【トラップ探知Ⅱ】

残りスキルポイント:0



弓月火垂

レベル:37(+4)

経験値:381651/390112

HP :189/189(+14)

MP :434/434(+98)

筋力 :23(+2)

耐久力:27(+2)

敏捷力:32(+3)

魔力 :62(+6)

●スキル

【ファイアボルト】

【MPアップ(魔力×7)】(Rank up!)

【HPアップ(耐久力×7)】

【魔力アップ(+16)】(Rank up!×2)

【バーンブレイズ】

【モンスター鑑定】

【ファイアウェポン】

【宝箱ドロップ率2倍】

【アイテムボックス】

【フレイムランス】

【アイテム鑑定】

【エクスプロージョン】

【弓攻撃力アップ(+8)】(Rank up!)

残りスキルポイント:0



 ステータスの上昇値などは、旅商人エスリンさんと出会ってグリフォン山へと向かう前との対比だ。


 あれからグリフォン山での出来事や、エスリンさん誘拐事件、それからダグマハルへと至る六日間の旅を続けてきて、今ここである。


 一週間ちょっとの間に、4レベルから5レベル程度のレベルアップ。


 体感では凄まじいレベルアップ速度ということもなく、緩やかに強くなっている印象なのだが、客観的に見るとこれは──


 ちなみに【重装備ペナルティ無効】だが、修得すると、ガイアヘルムを装備したときにかかる重量感がスッとなくなった。

 今更だけど、スキルってすごいなと思った。


 ただこのスキルを修得したなら、鎧も防御力が高い重装備に変えたい気持ちがある。


 ガイアアーマーは無理でも、プレートアーマー(+2)ぐらいなら買える見込みが立つので、そのあたりで妥協するのも一手かもしれないな、などと思いつつ。


 さておき。

 異変が起こったのは、俺たちが集落に入ってから、二日後の朝のことだった。


「モンスターが攻めてきたぞー!」


 城塞で見張りと防衛にあたっていたドワーフ戦士から伝令があり、集落中が騒がしくなった。

 非番の者も含め、集落中のドワーフ戦士たちが、入り口を守る城塞へと向かう。


 俺と風音さん、弓月もまた、傭兵の仕事を果たすために同じ場所に向かった。


 ドワーフ戦士たちは軒並み足があまり速くないため、俺たちは入り口の坂道で、ガッチャガッチャと重装備を鳴らして走る彼らを次々と追い抜いていくことになった。


 城塞にたどり着くと、内部にある階段を駆け上がって、壁の上に出る。


 そこから見下ろすと、モンスター軍団は城塞の壁を挟んで向こう側、だいぶ近くまで迫ってきていた。

 昇る朝日を背景に、地響きを立てて迫りくるモンスターの群れの姿は、異様とも思える。


「フロストウルフとイエティだ! 二回目の襲撃よりも数が多いぞ!」

「時間がないぞ! 射撃と魔法、すぐに配置に着くんだ!」


 ドワーフ戦士たちの怒号が響き渡る。

 壁の上に立った十人近くの戦士たちが、クロスボウの準備をし、補助魔法を行使していく。


 ドワーフ戦士の魔法使いは、土属性魔法や火属性魔法の使い手がほとんどのようだ。

【プロテクション】や【ファイアウェポン】などの補助魔法で、戦士たちが次々と強化されていく。


 ちなみにユースフィアさんの姿は、今のところ見当たらない。

 寝坊か準備中か、単にやる気がないのか。


 まあ防衛依頼を引き受けてはいないわけだし、ケチをつけるのも筋違いではあるが。

 人のことは気にせず、俺たちは俺たちにできることをやろう。


 モンスターの群れが戦闘距離に近付いてくるまでの間、俺、風音さん、弓月も補助魔法を使い、自分たちを優先して強化していった。


 ひと通り強化を終えると、俺は壁の上から前方を見据え、迫りくる敵の姿をあらためて確認する。


 集落へと続く上り坂の道を駆けてくる群れは、二種類のモンスターで構成されていた。

 モンスター名で言うと、「フロストウルフ」と「イエティ」だ。


 フロストウルフは、雪のような純白の毛皮を持った、巨大な狼の姿をしている。

 どのぐらい巨大かというと、ヘルハウンドと同じぐらい──つまり、ほとんど馬にも近い大きさだ。

 それが赤い目を輝かせて、群れを成して迫ってくるのだから、かなりの迫力である。


 一方のイエティは、「雪男」と呼ぶのがしっくりくる姿をしている。

 直立したゴリラのような体型はミュータントエイプを思わせるが、全身を覆う毛並みはフロストウルフ同様、雪のような白。

 こちらもフロストウルフに遜色ないかそれ以上の体格を持っていて、集団で攻めてくる姿はやはり圧巻だ。


 トータルで三十体近くにもなる、強大なモンスター群。

 二度目の襲撃のときには二十体程度だったというから、群れ全体の戦力はそのときよりも大きいと言えるだろう。


 一度目、二度目、三度目──襲撃を重ねるごとに敵戦力が大きくなってきていたわけだが、それが今回、四度目でまた更新された。


 そう思うと、俺の背筋を一瞬、ゾッとするものが走る。


 このままこの集落に居続けたら、集落のドワーフたちは、そして俺たちは、どうなってしまうのか──


 いや、むやみにネガティブに考えるのはやめよう。

 今は目の前の敵に集中することだ。


 それから数秒の間に、地鳴りを上げて迫りくるモンスターの群れの先頭が、もう少しで魔法の射程距離というところまでやってきた。


 魔法が届く距離よりもわずかに早く、ドワーフ戦士たちの射撃攻撃が放たれる。


「クロスボウ、狙いは先頭のフロストウルフだ──撃てぇーっ!」


 俺たちがいるのと同じ城塞の壁の上で、四人のドワーフ戦士たちが構えていたクロスボウから、一斉に矢が放たれた。


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