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朝起きたら探索者《シーカー》になっていたのでダンジョンに潜ってみる 〜1レベルから始める地道なレベルアップ〜  作者: いかぽん


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第192話 集団戦闘

「ほとばしれ、闇のいかずち──【ダークサンダー】」


 ダークエルフの少女が突き出した手のひらの前方に、バスケットボール大の闇の球体が生まれる。

 直後、それがモンスターの群れ目掛けて発射された。


 高速で飛行した闇の球体は、モンスターの群れの一角の頭上、地上三メートルほどの空中に至ると、そこで弾けて黒い稲妻の雨を降らせた。


 無数の黒い稲妻は、その下にいたモンスターたちを打ちつけ、ダメージを与えていく。


 その攻撃で、魔法の攻撃範囲にいた六体のモンスターのうち、三体が消滅して魔石となった。


 消滅した三体は、いずれもフレイムスカルだ。

 一方で、魔法の攻撃範囲内にいたにもかかわらず残った三体は、いずれもヘルハウンドだった。


「なんじゃ、一撃で落ちんのか。まあまあ厄介な犬っころじゃのう」


 魔法を放ったユースフィアさんは、その結果に少しだけ不満そうだった。


 この結果をどう見るべきか。

 八英雄の一人、75レベルの高レベル覚醒者でもこの程度なのかという見方もあるが、ヘルハウンドがそれだけの強敵と見ることもできる。


 ともあれ今は、ユースフィアさんの能力評価が本題ではない。


「弓月、ヘルハウンドにトドメ行けるか?」


「余裕っすよ。あの三体はもう瀕死っすからね──でも一応、【エクスプロージョン】!」


「よし。じゃあ俺は向こうだ──【ストーンシャワー】!」


 ユースフィアさんに続いて、俺と弓月の範囲攻撃魔法が、同時に放たれる。


 弓月が放った爆炎魔法は、ユースフィアさんが落とし切れなかった三体のヘルハウンドをまとめて巻き込み、三体ともを魔石へと変えた。


 一方で俺は、今回が初公開の新魔法だ。


 ユースフィアさんや弓月が攻撃したのとは別方面に固まっていた、五体のモンスターをターゲットとして魔力を放つ。


 直後、ターゲットにした五体のモンスターの頭上に無数の石つぶてが生まれ、それらがすぐさま雨のように降り注いだ。

 ドガガガガッと音を立てて、石つぶてが五体のモンスターを打ち据える。


 残念ながら、俺のその攻撃だけでは、五体のモンスターはいずれも撃破されることはなかった。

 だが確実にダメージは与えた……はず。


「弓月、ダメージチェック頼む!」


「オーライっす! ──それより敵の攻撃来るっすよ、先輩!」


 俺たちが放った魔法攻撃よりも一拍遅れて、モンスターの群れの中から、散発的な火炎弾が飛んできた。


 またそれよりもわずかに出足早く、ヘルハウンドが三体、俺たちに向かって駆け寄ってきていた。


 巨体と俊敏性を併せ持った三体は、彼我の距離をあっという間に詰めてきたかと思うと、俺たちの数歩手前で足を止め、口から一斉に炎を吐き出してきた。

 その炎は広範囲に広がり、俺たち全員をまとめて包み込む。


 火炎弾と炎の吐息、いずれも回避は困難で、俺たちはそれらをまともに食らうこととなった。

 だが──


「ふんっ、効かぬわ雑魚どもが」


「ギャーッ、やられ──てないっすね」


 俺、弓月、グリフォン、ユースフィアさんは、それぞれいくつかの攻撃を被弾していたが、このうち弓月とユースフィアさんはどうやらノーダメージのようだった。


 ダメージを受けたのは、俺とグリフォンだけらしい。

 魔法防御力の違いだろうな。


 ちなみに、以前はフレイムスカルの火炎弾で若干なりとダメージを受けていた弓月だが、今回ノーダメージなのは、飛竜の谷に向かう前に買った「抗魔の指輪」が効いているのだと思う。

 あと多少のレベルアップも。


 ただフレイムスカルはそれでいいとして、ヘルハウンドの炎の吐息も似たような威力なのだろうか。


 ヘルハウンドはフレイムスカルよりも、ワンランク格上のモンスターだと思うが。

 範囲攻撃だから、威力そのものは大したことないのかもしれないな。


 俺やグリフォンが受けたダメージも、これだけで重傷というほどではない。

 無論、同じような攻撃を何度も受ければ、まずいことにもなってくるだろうが──


「ほれ、お返しじゃ犬っころ──【ダークサンダー】」

「うちもお返しっす──【エクスプロージョン】!」

「キミたちダメージ受けてないよね!? 【ストーンシャワー】!」


 実際には、そうしたモンスターの猛攻は長続きしない。

 こっちだって黙って的になっているわけじゃないからだ。


 ユースフィアさん、弓月、俺の魔法攻撃が追加で炸裂し、目前のヘルハウンド三体を含め、さらに多数のモンスターを仕留めていく。


 ドワーフ戦士たちの攻撃もあり、当初うじゃうじゃといたモンスターは、みるみるうちに数を減らしていった。


 こうなれば、あとは消化試合だ。


 ドワーフ戦士たちとの挟み撃ちで、俺たちはモンスターを次々と魔石へと変えていき、やがて最後の一体を消滅させるに至ったのだった。


 またこの戦闘で、ミッションも一つクリアしていた。


───────────────────────


 ミッション『ヘルハウンドを5体討伐する』を達成した!

 パーティ全員が8000ポイントの経験値を獲得!


 小太刀風音が36レベルにレベルアップ!


 現在の経験値

 六槍大地……319734/344368(次のレベルまで:24634)

 小太刀風音……310426/344368(次のレベルまで:33942)

 弓月火垂……321651/344368(次のレベルまで:22717)


───────────────────────


 そういえばこんなミッションもあったな。


 次のレベルアップに必要な値に対して、とても大きな経験値でもないが、もらえるものは嬉しい。

 ごちそうさまでした。


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