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第14話 初めてのパーティ行動(7)

「私の大切なステータス……六槍さんだから見せるんですよ?」


「あの、恥じらう仕草を見せながらそういうの、やめてください」


「ぴえんっ。六槍さんが冷たい」


 俺をからかってくる小太刀さんに、冷たい目を向けておく。

 だってそうしないと理性が持たないんだもの。


 さておき。

 他人のステータスボードも本人が開いてくれれば見れるんだなということを思いつつ、俺は小太刀さんのステータスを確認してみた。




小太刀風音

レベル:9

経験値:960/1315

HP :40/40

MP :33/33

筋力 :11

耐久力:10

敏捷力:18

魔力 :11

スキル

【短剣攻撃力アップ(+2)】

【マッピング】

【二刀流】

【気配察知】

【トラップ探知】

【トラップ解除】

【ウィンドスラッシュ】

【アイテムボックス】

【HPアップ(耐久力×4)】




 ……強いな、おい。


 いや、9レベルなんだから当たり前といえば当たり前だが、それにしたって敏捷力18ってとんでもねぇな。

 道理で動きが恐ろしく速いわけだ。


 それに加えて、短剣、二刀流、気配察知、トラップ対応系──なんというか、ファンタジーで言うところのスカウトとかシーフとか、そんな感じだな。


 そう思っていると、小太刀さんがニヤリと笑った。


「私が見せたんだから、六槍さんも見せてくれますよね?」


「え、ええ、まあ……どうぞ」


 俺も自分のステータスを小太刀さんに見せてやる。

 すぐ横から覗き込んでくる小太刀さんの顔が近い吐息が当たるヤバいヤバい。


「ふぅん……なるほど、こんな感じなんだ。なんか『男の子』って感じのステータスですね」


「何ですかそれ」


「だってほら、レベル差があるのに耐久力とか私と一緒じゃないですか」


「そういうの、性別の差があるんですか?」


「いえ、ないと思います」


「ないんじゃん」


「えへへーっ」


 笑ってごまかす小太刀さん。

 クッソかわいいなおい。


 と、そんなコントはさておき。

 この場には今、もう一つ問題があった。


「そのブロードソード、どうしましょう? 捨てるのはもったいないけど、持っていくと荷物になりますよね」


 俺は小太刀さんが手にしている剣を指さして、そう聞いてみた。


 せっかくのお宝だが、手に持っていると片手がふさがってしまって戦闘で不利になるし。

 紐か何かがあれば、背中にでも括りつけられるのだが……。


 だがそれを聞いた小太刀さんは、「ふっふっふ」と笑って得意顔になる。


「なるほど、六槍さんは宝箱のアイテムを手に入れたのは初めてなんですね。分かりますよ、私も通った道です。私も一時期はそれで困って、家から自前のナップサックを持ってきていましたからね。でもでも、今はこれがあるのです──じゃじゃーん、【アイテムボックス】!」


 小太刀さんが地面に向かって手をかざすと、地面にドンと、光り輝く大きな箱が現れた。


 箱の形状は【宝箱トレジャーボックス】によく似ていたが、棺桶に似た形ではなく、衣装箱を一回り大きくしたような形状だった。


 小太刀さんはその箱のふたを開けると、ブロードソードを鞘ごと箱の中に入れる。

 すると剣が入るような高さはなかったのに、箱の中にするすると入っていってしまった。


 剣が完全に呑み込まれてから小太刀さんがふたを閉めると、箱は再び光り輝いてどこかに消え去ってしまった。

 えーっと……?


「今のは【アイテムボックス】というスキルの効果です。好きなものを入れておくことができて、それを好きなときに取り出せる、四●元ポケットみたいなやつですね。容量に限りはあるんですけど、便利ですよ」


「へぇー……」


 またいろんなスキルがあるもんだな。

 俺の修得可能スキルのリストにはなかったので、ちょっと羨ましい。


 しかし俺の【アースヒール】が「当たり」とか言ってたけど、小太刀さんだって【二刀流】【トラップ探知】【トラップ解除】【アイテムボックス】と、俺のリストにないお役立ちスキルがてんこ盛りだ。


 戦力としても探索サポート役としても、この人が仲間にいてくれると非常に助かるのは間違いないだろう。


 そんな小太刀さんが、キリッとしたいい顔を見せて、洞窟の前方を見据える。


「さてと──それじゃあ六槍さん。これから第三層に行くってことでいいですか?」


「はい。行きましょう、風音お姉ちゃん」


「うわぁああああっ! だからもうそれ、やめてくださいってばぁっ!」


 キリッとしたいい顔の小太刀さんは、羞恥で頬を染めた涙目の残念女子に一瞬で変貌した。

 ああもう、かわいいなぁ。


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