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Case_00_02-3

■カール・デーニッツ提督 ドイツ海軍総司令


「デーニッツ提督、新しい役職もなじんできたようだな。海の事を不得手とする余ですら、雰囲気を見れば分かるぞ。さ、かつての灰色の狼たちのリーダーが見た海の現状を話すのだ。何しろ帝国は、多数の海洋国家を常に考えねばならないからな」


 ドイツ海軍はほとんど何もしないまま戦争が終わってしまい、それまで海軍を率いていたレーダー提督は、開戦時に語った自らの言葉を恥じるように引退し、後任は戦争中ドイツ海軍で唯一活躍した潜水艦部隊を統括した彼に委ねられた。

 その彼は、自らの知性を見せつけるような高い額を何ら誇ることもなく、淡々と現状を語り始めた。

 



 要約すれば、以下のようになる。

 


 我が海軍の全般的状況を要約すると、ようやく列強に互する第一線兵力が揃ったと言えます。

 

 戦後再開された『Z計画』がようやく軌道に乗り、三軍の中で遅れていた軍備拡充がようやく達成されつつあるからです。

 

 これは先日総統閣下が式典に参加された、「H級」3番艦「フォン・モルトケ」の就役がそれを象徴しています。

 

 現在「H級」戦艦3隻を始めとする戦艦5隻、巡洋戦艦5隻、装甲艦5隻、重巡洋艦3隻、軽巡洋艦9隻、航空母艦4隻が水上艦隊の基幹兵力で、これを大海艦隊、地中海艦隊、インド洋戦隊に分けており、この戦力は英米日の三大海軍と肩を並べうる規模で、総統閣下と軍需相の努力の賜物でもあります。

 

 また、戦争中戦力が拡充されていた潜水艦戦力ですが、依然世界第一級の規模と装備を誇っており、大小約250隻の潜水艦を有し、このうち状態のよい約70%の潜水艦が稼働可能状態にあり、人員の関係でさらにその半数が実際稼働しております。

 

 これらを踏まえれば、世界のどこの海軍勢力を相手取っても十分な戦力と言えますが、問題が皆無、と言うわけではありません。

 

 これは、カタログデータに現れにくい事なのですが、我が海軍は急速な拡大により、人材面の供給が追いついておらず、長い育成年月を必要とする中堅将校と下士官の不足は致命的、と言っても過言ではありません。

 特に軽艦艇に対する人員不足は、艦艇の数の上でのバランスが好ましくない事以上に大きな問題となっています。

 

 また英米日のどれか1国相手であれば対等を保持できますが、これが同時に複数の国を相手取るとなると、待っているのは第二次世界大戦での英国海軍同様、極めて苦しい立場になるだろう判断せざるを得ません。

 

 現に紅海のアデンとマダガスカル島に展開するインド洋戦隊は大きな脅威に晒されており、同地域には常時日米の海軍部隊が駐留しており、インド洋先端部のセイロンには日米の空母機動部隊が交代で駐留し、これによるプレッシャーは、現地部隊だけでは到底対抗できるものではなく、また我が海軍の後方支援体制の整備の遅れも重なって、同方面に大規模部隊を派遣できる状況にはありません。

 

 しかも、現状で英国を無視すると言うことは不可能であり、残念ながら海軍は表面上の戦力を発揮できる状態にないというのが、現状の要約となります。

 


__________________


 1. 他の者の話を聞く

  (Case_00_02- のどれかへ進む)

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 2. もう終える

  (Case_00_02_06 へ進む)

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