16.仲間意識
「そうだわ、アリー!貴女に聞きたいことがあるのよ」
ポンっと両手を合わせて、私の方を見るレティ。
なんだろう?
私今日はどんぐり愛を話すとか、異常行動してないし、特に聞きたいことの心当たりがないのだけど……。
待てよ?
いたわ、心当たり。
隣で優雅に、おしぼりで作った三匹のアヒルを眺めながら紅茶を飲むユズ、コイツだ。
ちゃっかりとアヒルが増えているし。
さて、聞きたいことは粗方分かった。
ユズの奇行に関することだろう。
さて、どう言い訳するべきか……。
「アリーのドレス、どこの仕立て屋で誂えたものなのかしら!?お庭に姿を見せた時から気になっていたのだけれど、不躾に聞くのもなんでしょう?で、でも少し仲良くなれた今なら聞いても許されるかしら?って」
「へっ!? 」
予想外の問いに、少しフリーズ。
やっぱりダメかしら?と、レティの黒いひとみが潤んできたのに気付く。
「いえ、そんなことはありませんわ!ただ、このドレス、私もデザインに加えさせていただいたものでして」
「まぁ、アリーが? 」
ココも興味深そうに話に入ってくる。
「えぇ、こういうドレスが着たいと、絵を描いただけなのですけど。その絵を元に、お父様とお母様とデザイナーの方が、あれこれ改良してくださったのですわ」
「そうなのね。では、アリー。私に似合うドレスを選んでいただく事は可能かしら? 」
心細そうな顔でたずねてくるレティ。
確かに、レティのドレスは、レティに合っていないと、私も感じていた。
色は淡い黄色で、デザインは、以前に私が却下した、リボンまみれのドレスにそっくりだ。
ココやシェリーもリボンまみれではあるのだが、二人はどちらかと言うとそういう可愛いドレスが似合う顔立ちをしているので、そこまで違和感はない。
けれど、レティや私のようなキツめの顔立ちの女の子は……。
きっと、今までレティもドレスには悩んできたのだろう。
猛烈な仲間意識が芽生えた私は、レティの手を力強く握ると
「選ぶよりも、レティに似合うドレスを一緒に作ってしまえばいいのですわ! 」
そう言い切ったのだった。
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