12.復習は大事
「ねぇ、ユズ」
「はい、何でしょうアリー様」
「貴方、文字って読める? 」
恐る恐る尋ねてみる。
「読めますよ」
「本当に!凄いじゃない、ユズ! 」
「それ程でもありますね」
「前言撤回ね」
無表情でドヤるという訳の分からないユズの姿に呆れる。
「がーん」
「こんなに感情の篭ってない【がーん】は聞いたことないわ」
「恐縮です」
「褒めてないわよ。ねぇ、文字が読めるなら、私に絵本の読み方を教えてくれない? 」
「先程、リアム様が読まれていたのでは? 」
「あんな一回だけで覚えられたら苦労しないわよ! 」
プクっと頬を膨らませると、瞬時にユズに頬を潰される。
ブッ!という音が口から出る。
レディーに有るまじき失態よ!
大体女の子のほっぺたは潰すもんじゃないし!
「まぁいいでしょう。絵本は先程と同じものでよろしいですか? 」
「そうね、復習の為にもそれでいいわ! 」
なんだか偉そうな態度のユズはスルーだ。
ユズに読み聞かせてもらいながら、文字を確認していくスタイルに決まった。
「むかしむかしのおはなしです」
「ユズ、貴方無表情なだけじゃなく、読むのまで棒読みなのね」
「恐縮です」
「だから褒めてないわよ」
ユズの棒読みと、慣れない文字に悪戦苦闘する。
その内、仕事が終わった父とお茶会の準備が終わった母も加えて、穏やかな一日は終わったのだった。
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