初勝利・・・‼︎
◇◇◇◇
( こっちに来い!!)
見事相手のクロスボールをヘディングで弾き返す...。味方のMFにパスを繋げて、
『頭脳明晰』…。
相手の陣地を的確に把握し...、加速しながら
再びボールを要求する――‼︎
きたっ!!
見事。相手右サイドハーフをバックに背負いながらドリブルを開始ーー。
大きく前にワントラップしたボールを
先程読み取った情報を元に鋭いパスを蹴る!!
クロイツ小4組 0 ー 0 ラントグラーフェン小3組
残り時間は5分...。
右サイド地点から飛び出したパスに
反応したのは...、
我がチームで唯一、俺と同じ上級プレイヤーのテオ…。
むこうにとっての最高のパスが届いたはずのなか
・・・。
(届く・・・。)
相変わらず、抜群のタイミングで出されたボール
に反応すると、残されたDFは横に2枚...。
足の裏で緩急をつけ、カットインすると。
2枚目のDFの間を抜くシュートーー...!!
あーーー!!!
結構強引に打ったシュートはGKにしっかりと
反応されてしまい...。
あっ...。
引き分け濃厚かよ....。
( 優勝を目指すって話なのによ...!)
だが、21歳のアルバイト生だった頃のように
焦ってはいない…。
この地域対抗大会、全クラスが階級制度でチーム
を作っているなか、
特権階級に選ばれたからだ・・・。
ただ、勝負は案外最後までわからないもので
ーー...。
クロイツ小4組 1ー 0 ラントグラーフェン 小3組
「「よっしゃあー!!!」」
もう俺のなかで、敗け試合も同然だと思っていたが、味方のパスカットから...。
ボールをもらって、1人抜いたあとに。今度はDFにキックフェイントから右に抜けて
見事ミドルシュートを1発...!!
( よっしゃあーーー!!!!)
即座に振り抜いた右足が、カーブを描き。
ネットを揺らして...。
勝負あり…‼︎
試合は瞬く間に終わり...。俺たちのチームは大盛り
…‼︎
会場も、ドルトムンド本拠地の【シグナル・イドゥナ・パルク】で、超壮観・・・‼︎
「ハインツやっぱすごいよ!」
テオもそう褒めるが、俺たちは4組...。
階級1つ上のクラスを倒した喜びもあるが、
個人的にも、あきらかにゴラッソ…‼︎
「シュートセンス95」があだ名だが。学年NO.1の名前を着てのこれは注目度がちがう...。
ゲームを持ち込みながらも、上級生とかも
観にきてるなかで、
インパクトは間違いなく抜群だった…‼︎
(チームの雰囲気も最高にいい…。)
「「お前本当...、天才だよなハインツ…‼︎」」
と皆から声を掛けられ、優勝したかのような
雰囲気だが、今年のクラスはそもそもかなり良い…‼︎
目指すは勿論優勝だが、自分たちが1番弱いチーム という自覚があるとこも最高だ…‼︎
常に上を食らう姿勢みたいなのを、皆で共有できているからだが...、
女子「本当にハインツ君って凄いね…‼︎」
観客席から降りてきた女子たちとも
会話がはじまり。軽く盛り上がって....、
終わりーー……。
ツレ以外の、みんなが先に上にあがっちまった
ので、ゲームをやりに俺たちも急いで席に
戻ろうとする…。
◇
サッカーゲームで最高に盛り上がるなか、
知り合いが数人居たチームの試合が終了...。
どうせ。そんなにと興味も薄いので、
クラスの友達が隣で観てるくらいで...、話だけ聞いていると...。
席の後ろのほうからエデンが話しかけてくる...‼︎
「ハインツ、次は友達が多いとこの小学校でしょ?」
次当たるフィーネ小の話だろう...。
今の試合の知り合いも皆フィーネ小の奴等であることは間違いない。
「おう!って言っても、今度の相手かなり微妙だけどな!お前は勝てそうなん?次も。」
洋風の容姿に、運動ができるなかタイプの中でも我の強いタイプの美少女。
少々パリピな雰囲気のエデンが、自信満々に抱負を語ってくれるが...、
ちょっとだけ、いただけない内容がある…!!
「 場合によっては負けるかもってきいたよ!」って
発言は‼︎"やっぱり練習しに行かん?"って
周りが不安がってしまえるくらいには、
対戦表の日程との調子が悪い…、、
( 結構、、ガチで楽しみにしているから今は面倒な発言はやめろよ…‼︎)
これから、辿るプロへの道のりのさなか...。
他の友達とはちがい…、
かならずプロでも活躍できるだけの実力を感じる
選手とは、
チームメイト、
ライバルとして。仲良くなるためにも
プレーは出来るだけ観ておきたいのに...。
そのなかには、エデンも荒削りの才能を感じさせる選手として含まれているわけだが...。
そういうこともあって、
これから、面白い試合を観たいってときに
タイミング最悪な、
NGワードを聞きたくはなかった…!!
「はっきり言って、みくびらないでもらえる?w」
テオのフォローから、にこやかな軽口が飛びかって...。
www...‼︎‼︎
と、なんとなく明るく会話が終了......。
「不安にさせてごめんねー!笑」
すこし、おどけた感じで女子達と去っていく
エデンを他所目に、
俺たち、お望みの対戦試合がはじまる…。
リービッヒ小4組 0 - 0 ラントグラーフェン小2組
今年の優勝候補筆頭でもある...。
マテウス君のいるリービッヒ小4組の試合
が開幕・・・。
あきらかに対戦相手のほうが全体のレベルは
うえなわけだが、
個の力が飛び抜けた選手がいるチームのほうが、
やっぱり、団結力もあって強いと思っている俺がいる...。
ルッツ・マテウス: (リービッヒ小4組)
ダール・アンデシュ: (フィーネ小3組)
ハインツ・ミュラー: (クロイツ小4組)
もし、運が良くしっかりと成長できていたら。
ドルトムンドのレジェンド選手の息子
オリバー・ミル : (リービッヒ小1組)
も優勝レースに名を食い込めるだろう…。
エデンの発言を気にはしたみたいだが、
周りもそこまで騒ぐことなく、
"今大会ナンバー1 MF"のマテウス君が
いる試合を観戦するつもりがあるらしい…‼︎
◇