さすらいの男神ーー。
◇
ーーーーっっっっ。。。。
( 地震の影響か………。。。)
何故か真っ白な空間に倒れている……。。
( 畜生……。)
力が入らねぇーー……、、脳震盪にでもあったのか……?
俺はうつ伏せの状態から倒れたままで動けないでいる――。
『必殺技』が欲しいかだったか――……?
倒れていて限られた視界。
拉致される理由なんて検討もつかない。
予想としては、どっかの秘密の機関か――?
身体がまったく動かず、意識も朦朧とした状態のなか……。
「お主……、サッカーの世界への興味はないか――??」
いつのまにか近くにいるのは、さっきの仙人みたいな爺さんだろう……。
声からそう判断できるが、
『サッカーの世界』―― ?
(――ここは現実じゃないのか?)
意識が整ってきたため――、
敵意はないはずだと安心して両腕にグッと力を込めて立ちあがる……。
……グッッ……!!
地面に手をつき、しっかりと立ちあがると――、仙人のようなお爺さんは優しげな態度で話はじめる。
「お前さん、『サッカーの世界』へ行きたくはないか?」
再度の勧誘……。話が全然飲み込めずに黙ってしまった俺の前に、
「ちょっと、何やってんですか!!」
横から、急に注意するような声とともに
女の子が1人現れると、
そのまま、お爺さんを一喝する………!!!!
(唐突に現れたな……このすげぇ美少女。)
「何も知らない人に、そのような仕打ちをしたうえで、変装したままはやめてください――‼︎」
本当にどういうことかと言いたい……。
むこうは仙人にむかって、それなりの強度で叱っているが……、
『サッカーの世界』とやらに連れて行きたいという話しか理解ができない……。
(変装してるのか……?)
頭痛を抱えたような状態で仙人のほうをみる。
『必殺技』の件が残ってることを思いだすが――、
(和也のほうがいいとは思わないのか?)
『あの、、すいません……。あなたには異世界へ転生してほしいのです……!!』
( ド近距離まで近づくな……!!!照)
こちらを見上げるような上目遣いで話す。この金髪の美少女はたぶん女神なんだろう。
華麗な衣装。
鮮やかな金髪のロングヘア。
可愛い瞳に、隠れている巨乳。
お爺さんにされたことなんてどうでもよかったが、返答しなくては気まずいと思いながら、
承諾の返事をかえす――。
『ありがとうございます‼︎ 』
嫁がいても可愛いと思うものだな――。と考えてる間にも会話は続き・・・。
「『能力』選びのほうやって頂けませんか?」
これか、『必殺技』選びというやつは――。
電気や身体が鋼鉄化したりするのは変だよな――……《ゲームウインドウ》……サッカーの能力か!!
蚊帳の外のお爺さんが、
実は結構偉い人だと気づいたが……、
(「ヘルメス様」って神様ね。サッカーの能力だよな――?)
………「ヘルメス様」って呼んでたよなーーー??
ステータス画面から顔をあげると仙人と視線がぶつかり見つめあってしまったが……。
―――頭の中に『ヘルメス』という名前の神様いるなぁーー!!
ジッ………。
(!!しっかりと能力探さないとな……焦)
『異世界』に転生してほしい。
急にサッカーの世界で競いあってきてほしいだなんて言われてもな。
ぶっちゃけ世界ランキング50位くらいの実力なのに、
過去からも人がくるなかで『能力』で相手を打ち倒してきてほしいと。
こんなに強力なものばかりなのに――、試合にならなくね?
背後の爺さんのほうを見つめ返すが――、
上司を怒ったであろう金髪の子がボーーっとして
いた俺から距離をとると。
『すいません、異世界でもう一度サッカーしてもらえませんか?』
推定Eカップの巨乳が頭をチラつくなか、
ひとまずの事情をきく……。
女の子が話すなかでも、決して――変装を解かずにこちらをみているのに対しては一言ツッコミを入れたくなるが。
とりあえず、女の子が立ち止まってくれたことをいいことに――先に「ヘルメス神」に対して物申す――。
「とりあえず――、なんで俺何ですかね――……??」
はっきりいって――、実力からして俺じゃない。
チームでは2番目、3番目だが。世界を探せば
、たぶん50人に入るのがやっとな実力なのに、
何故過去からでも連れてこないといけない――。
そこまで怒ってるわけじゃないが、
つい――、自然に怒りが湧いてくる――。
『今年結婚式を挙げたばかりなのに、――何してくれてんの??』
そう思わずにいられない俺の一言に「辞めてくれ――」とまでは言ってないと思うが、
むこうは、すぐに魔法を解いて姿をみせる。
――変装じゃなくて……、変身か……。とちょっとだけ間違いに気づいた俺に、
「悪いな、別にむこうのお前のコピーを連れてきただけなんだ。君を選んだのは、友達だけどな。」
と、俺からしたら衝撃の一言……。
突然姿を現した。纏まった紫の髪のイケメンは、
異世界転生を俺が果たして、――なにがどうなるかを教えてくれた――。
なるほど……、日本人を気に入っていて。多く集めてワールドカップを優勝させたいね……。
勿論――、嫁になった。千夜にはちょっと悪いが、ワールドカップ優勝は捨てられない夢だったりする。
「それって、実現可能なのか――?他にもライバルは沢山いるだろ――。」
「そりゃ――、能力をやるがあげる人数だけでざっと100人はいる。それなりのハードルの高さはあるが、むこうの女神は本気だしてくれるぜ……。」
和也がいるんじゃないか――?歴代でみてもあきらかに日本人じゃ突き抜けた存在だし、
やり直しがいのある人生なのは間違いない……。
「 これ……、日本には何人行くんだ?和也は選ばれているんだよな――。」
「 それはさすがにいえないが、頭は良いな?日本人以外も帰化国で行くつもりがたぶんあるぞ。」
それは、予定でしかないため。結構声をかけている段階でしかないのか、運が絡んでくる話で全然逆境なのは変わらないつもりか……。
「一応、応援するつもりで声をかけたので、大丈夫ですか?私達が声かけましたけど……。」
先程紹介された。金髪巨乳のアイリスの質問には全然OKだったと答えたが、
なんでお前らがわざわざ会いに来たのかを問いかける――。
「 ヘルメスとアイリス、お前らお互い別々の監督か……?」
ちょっとだけ、わざわざ声をかけられて嬉しかったが、微妙に大袈裟なショットじゃないのか、
この2人は――。
「とりま、移動しようぜ――。」
カッコいい、イケメンな声でそう告げられると、ヘルメスの手のポーズから……。
1・2・3 で、身体がブレて跳躍し。
アニメや高級な店でしか、みたことのない。
全体が真っ赤な、中華風の部屋のなかに到着――。すぐ前には巨大なテーブルがあり、満漢全席が並べられそうである……。
「お前ら……、注文は――……?」
□…
「 この能力で大丈夫か……?『頭脳明晰』ってのと、お前は下に降りてくるのか――?」
あれから約2分……、
――スッッッ。
呼び出せば、すぐにきてくれはしたが……、
「――……いや、降りるのは。たまにのつもりだけど。結婚したいのか…?笑」
……頼みごとしておいて、そんなニヤニヤ顔をひけらかすなよ……。ったく
「いや……、どうやって試合みるのかを聞きたかったんだけど――」
極めて可愛い顔を浮かべてヴェスタは、たしかにどんなアイドルよりも1番可愛い笑顔をしているが――、悔しいので、悟られないよう
冷静な顔で返事をしたつもりだが……、
「そんなこといってーー、大好きだった初恋のナイスバディが欲しくないのか……?」
確かに、脱いでる姿を知っているだけに、
抜群のDカップの裸をイメージして押し倒しに行きたくなるが、そんなじゃれあいが恥ずかしいのも事実。
しっかりこちらの核心をついた台詞に、表情が思わずニヤけてしまうまでも、反撃するのはお約束――。
「 その喜び方、本人と似ているけど。死ぬほど鼻息荒そうで気持ち悪いぞ……。w」
席を立ってこっちに近寄って誘惑してくるヴェスタには、ピカチュ○とブリブリ座衛門が大のお気に入りだった美穂に装備されていた。
鼻息が荒い設定を活かして攻撃したが――、性格まで瓜二つなのか……、
「鼻息荒くていいだろ〜w」
と、顔を近づけて。ほっぺにキスをしてくる始末――。だから……、逃げるヴェスタを俺も捕まえて
後ろから思いっきり抱きしめると……。
「ゴールパフォーマンスは、尻振りにしたら?」
と色っぽく。軽いノリでプレイヤーになることを勧めてみるが――、
「死ね!!できるかっ……!!」
重要なことを忘れて、美穂とラブラブな頃に戻ったと思って、キスまでほっぺに仕返してから、
軽く離れるが――。再度ヴェスタであることを再確認………。
「ったく………、そろそろ行くぞ―――!!!!」
表情こそムッとしているものの、嬉しいとは思っているだろう。本人同様、多少感情がコピーされているのか知りたいが、
気持ちを切り替え、二度目の人生へのやる気をいれる――!!
NO.72『頭脳明晰』・・・一瞬で物事を理解する能力。
回数が打てて、それなりの応用力がありそうな
ものを選んだつもりだ――。
自分の成長にバフがかかる。才能タイプよりも
最終的には、自分に適正のある能力+上手くいけば転生者を見破ることができる――。のほうが
伸びもよくて、突き抜ける武器になると思って
の判断だ...。
「わかった…、かならず毎試合観に来いよ……!!」
元気な笑顔もみれたし、
カッコつけたくて、こちらも爽やかに伝える……。
懐かしく貴重な時間に感じるが――、
セックスを求めるのは変な雰囲気だろう、そういうことが出来たら良かったが――、ヴェスタのムードにあわせて別れの一言を告げる。
「おぅ!かならず観てるからなっ!」
最後に2人で手をバシッと合わせたら、
地面に魔法がかかって、紫の転移紋の発光とともに身体が跳ねる――。
必ず楽しんでくれよな……。むこうの世界に消えていくのを、ちょっとだけ寂しく感じながら――、自分のやれることをやったと少しの達成感を味わう――。
「頑張れよ!お前が世界一だからな!」
――必ず世界1になれると、前世の不運や頑張りの分、必ず報われると信じて思いっきり叫んだあと、
ティーテーブルに腰かけて、ルイボスティーを一口大きく味わう……。
短い恋愛時間だったな……と振り返って、幸せな愛を受け取ったあとは、
自分も、次の面接会場目指して自身の足元に魔法かける――。




