四年生 vs 五年生 4
色々と葛藤があって遅くなりました。あと1話かあと
2話で一章を終了としたいと思います。
そして、それにあたって1話から軽く改稿しようと
思います。多少レベルが上がってるような気がするため、読んでくれた人を逃がさないための作業になります。
皆さん応援よろしくお願いします!
感想期待してます
――――――――― 再びサッカーの世界へ戻っていく君は、また私の下から離れていってしまう。
でも、彼にとっての一番はきっとサッカーだろう。
彼のプレイは夜空に輝く一番星のように他とは別格な綺麗さをみせているのにもかかわらず、けしてそれに満足することなく常にギラギラしていて、闘志全開で敵にむかっていく姿に彼のサッカーへの愛と向上心がみえる。
彼のプレイの秘密。それは、、圧倒的なサッカーIQ
彼はそれが自分の才能だといっていた。
そして、理想の自分はまだまだ遠くにいるのだと、、
初めてメールアドレスを交換した夜に教えてくれた彼の話。
きっと、彼はいつか理想の自分に追いついて、世界一の選手へと到達するんだと思うと興奮が止まらなかった。
裏切り者だなんて思ってごめんね、フェリックス
あなたのおかげで私は今日、本当の自分の気持ちを理解することができました。―――――
彼の第一のファンとして、、闘志をむきだしにしながらも、頭の中は常にクールで最高にカッコいい彼に、陰ながら恋する少女として愛する彼が理想の自分へと到達して世界を舞台に戦うその日まで応援し続けることを――――。
思えば今日は思いもよらない1日にだったが、こんなに充実した気持ちになれるのならたまには思い通りいかない日も悪くないなとそう思った。
今朝の私は、大好きな人をショッピングもといデートにでかけようと思い彼を誘ったのだが、彼は家族と予定があるとのことでフラれ、朝からショックな気分で朝食を食べていたのだが、
連絡先を交換している友達の少ない私のケータイにフェリックスが突然1通のメールを送ってきたのが今日の一連の事件の発端だった。
フェリックスからのメールの内容、最初こそ先日の謝罪文だったが、本題の中身のほうは、大好きな彼が自分たちのクラブの紅白戦に参加するからファンの1号を名乗るなら招待をするから試合をみにこいとのことで、
メールにこそ前の裏切り行為のお詫びだと口にしているものの、行動としては完全にこちらを挑発しており、
ほんとならば無視をきめたいとこなのだが、彼らが混じって試合をするのは4年生vs5年生でうちのチームの監督とは別に最初から大きな期待をかけられていることがわかるため。
素晴らしい連携をみせるあの2人もいることを考えたら、彼が受かっているうちのチームを蹴ってむこうのチームに行くことの可能性はなかなか高く、もしかしたらしばらく会えなくなるとを考えるとあとに引けなくなかった私は覚悟をきめて今日ここにきたのだが、、、
思いのほか良い1日だと思う…!今のところは!自分の気持ちを整理するには今日ほど最適な日は決してなかっただろう。
彼が理想の自分に近づく上で私が障害になってはいけないのだ。
こうして私は自問自答しているが、試合はすでにはじまっていて、5年生チームがメンバーを1人かえ4年生チームはそのままで試合がはじまっていて、
現在は前半とうって変わって5年生チームの攻撃を4年生チームがどうにか耐えしのぐ形のゲームへと変化している。
5年生チームが最初の並びこそ前半と同じ位置にいたが、自然とそれぞれが動きだし並びを変えていて、そこから少しマークの位置がずれはじめて、今では全然位置を捕捉できていない状態だ。
恐らく5年生チームの今のフォーメーションは、とても変則的になっていて、DF2枚の間にDMFが1人、その前にOMFが2人FWが3名といったかなり攻撃的なフォーメーションになっている。
かなり攻撃偏重というのはあるが、ことさらに変なのが2人のFWがウイングとしてサイドに開いてボールをもらわないところである。
彼らはスペースを大きく使うことではなく、距離を短くしてよりはやくサポートに行くだとか、DFを1人強引にでも抜いてキーパーと1対1の形を狙うサッカーへとスタイルを変更してきたのだ。
そして今、試合開始してそろそろ10分ほどになるといったところでついに1点を返されてしまった。
シュートは今ので6本目であり、むこうからすればようやくの1点目であるだろうが、正直な話このキーパーがあまりにも上手すぎたための結果であり、これが並みのキーパーなら今のゴールが恐らく2点目か3点目のゴールになっていたはずだ。
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くそっ!!このままだとまずいな!!
アデーレと別れたあと、後半にむけていくつかの作戦をたてはしたのだが、作戦に移行する前に不意を打たれた攻撃で完全に
ゲームの流れをもっていかれてしまった。
キーパーのファインセーブによってしのぎはしたものの、完全に崩されてシュートを打たれてしまったため、相手の攻撃が怖くなったのかDF陣の動きがどうにも固くなってしまったのもあって、考えていた作戦もあまり機能することができず、俺もゲームの流れを再びもってくるためしぶとくディフェンスに参加
していたがとうとう失点をしてしまった。
「悪い、タイムをとってくれ!」
俺らのチームは監督がいないため自分たちで作戦をきめることができるようになっていたが、前半の活躍やフェリックスの推薦、俺がゲストであることもあってチームの監督を俺に一任してくれたため、今から交代のカードを切ろうと思う。
「交代メンバーは、、、」