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太陽の月  作者: 田中砂糖
1/2

月のはじまり

1度upしたのに少し手を加えました。

よろしくお願いいたします

神様なんて居ない。

居るならば私はきっと神様に嫌われたんだ。


―『ねぇ… 月乃(つきの)辛い事があっても笑ってるのよ。神様は笑

った人が大好きだからね』―


母の言葉が頭に浮かぶ。身体中の痛みが引いていくと共に


――――――――――――――――――――――――――


母が亡くなったのは私が16歳夏休みの時。その後母方の兄夫婦に養われた。けれど兄夫婦は私が気に食わなかった。高校には行かせてもらえず家事をやらされた。もちろん高校は留年になりもうお金を払えないと言って結局は退学。


その後バイトを始めた。給料は全て伯母に渡した。服は兄夫婦の娘のお古で、ご飯は残り物とか消費期限切れのものとか。食べれるだけでマシだった。


そんな生活が続いて1年経ったある日、いつもの様にお風呂で寝ていたら誰かが入ってきた。そして私の身体を触り始めた。驚いて目を開けると目の前に伯父の笑った顔があった。目が合った瞬間、口を塞がれよく見れば伯父はズボンを脱いでいた。


―気づかなかった……いつの間に脱いだんだろ…?―


そんなことを考えながら自分自身も脱がされていくのをただぼーっと見ていた。

服を全部脱がされ舐めまわすように触られていた時、ふと人の気配を感じお風呂場の入口を見たら、私達を見つめていた。


伯母さんが。


包丁を持って。



次の瞬間顔に水滴が付いた。触ってみたらとても紅い色をしていた。


―真っ紅だ。こんな色の口紅よく伯母さんがつけてるな…―


そう思っていた時、胸に痛みを感じた。


次はお腹。


そして太もも。


その三ヶ所には紅いものが溢れていた。とめどなく溢れると共に痛みが増していく。そして何だか眠くなっていく。


お風呂場の窓の外を見ると黒い空と満月が見えた。


―今は多分深夜なんだろう。道理で眠いはずだ―


眠気に身を任せ眠りに落ちた。怪物のような女性の叫び声を聞きながら。その時母の()()言葉を思い出していた。





どれくらい眠ったのだろう。瞼の裏が明るい。きっと朝なのだろう。


―朝ごはんを作らなくちゃ…それから花の水やりと……―


毎朝やっている事を頭に一つずつ思いかべながら耳を澄ました。

水の流れる音が聞こえた。


―誰かがお風呂を使うのかな?―


それならば退かなくてはと、目を開いた瞬間眩しい光が目を刺した。痛みに顔をしかめ、少し光になれてからもう一度目を開けた。



頭の中に沢山のはてなマークが浮かんだ。


―ここはどこなのだろう―




目の前にはそびえ立つ沢山の木とその木々の間から差し込む光。近くには川があり、地面には沢山の芝生が生えている。


初めて見る景色に少女は思った。


綺麗だと。


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