~カーティス、回想する。(1)~
~リーフィティア家にて~
私がリーフィティア家に着くと、使用人が二人程、門を掃除していた。
その使用人たちに声をかけた。
「失礼します、こちらリーフィティア家で間違いないですか」
「はい、そうですけど...って、え?!お、お嬢様?!」
「私、カーティス・アルフレッドと申します。」
「アルフレッド公爵、ぞ、存じ上げております。」
「...先程、街でリーフィティア侯爵令嬢が倒れまして、こちらまでお運びしました。」
「倒れ...?!あの、お医者様は...」
「今、令嬢のお付きの使用人の方に呼んでいただいております。」
「...分かりました、ありがとうございます。今、お部屋にご案内させていただきます。...イスタ、旦那様と奥様にご報告を。」
「はいっ」
イスタと呼ばれた使用人は、パタパタと走っていった。
「すみません。」
「いえいえ、こちらへどうぞ。」
中年の使用人が私を案内してくれた。
相変わらず、シンプルだが、とても綺麗なお屋敷。
実は、リーフィティア家には、以前訪れたことがある。
しばらく前の話ではあるが、この街に、災害が起こった。
その際の街の復興を試み、リーフィティア家へと幾度か足を運んだことがあるのだ。
そして、リーフィティア侯爵令嬢をお見かけしたこともある。
街が大方元通りの活気を戻し始めた頃、リーフィティア家に挨拶に伺った。
その時、リーフィティア家では何人かのご令嬢が集まっていて、昼食を取られていた。
ご令嬢たちは話に夢中で、私の存在には気づかなかったようだが。
すると、
「も、申し訳ございません!」
と声が聞こえた。
「ちょっと...こんな量は食べきれませんわ。」
「もう一人くらい、誰かいなくては...」
「もしかして、リーフィティア侯爵令嬢はいつもこの量を召し上がっているのですか?」
どうやら、コックが料理を多めに作ってしまったらしい。
文句を言いたくてたまらないご令嬢たち。
すると、
「うーん、昼食はここまで多くはいただきませんが...皆様ご心配なく!皆様が召し上がることができないのなら、私がいただきますわ!」
と、一際明るい声が聞こえた。
「彼の料理は美味しいし、彼はいつも一生懸命作ってくださるのですよ。せっかく作ってくださったのですもの、残せませんわ。」
周りのご令嬢が微妙な反応をする中、リーフィティア侯爵令嬢だけは、幸せそうに、料理を頬張った。
何故か私はその光景に目を奪われてしまったのだ。




