~レイラ、冷静になります!~
「リーフィティア侯爵令嬢の使用人の方ですか?」
アルフレッド公爵が私に声をかける。
「は、はい。」
「とりあえず、医者を呼んでください。私は一先ずお屋敷へ令嬢を運びます。」
「わ、分かりました。よろしく、お願い致します。」
ああ、情けない。
お嬢様を守りたいのに、守るどころか、健康管理もできないなんて。
今はお医者様を呼ぶことしかできない。
でも、アルフレッド公爵のおかげで、冷静になることができた。
「カーティス様、素敵...」
「あの重たそうな令嬢を軽々と...」
アルフレッド公爵への賞賛の声やら、お嬢様への嫉妬やらで、ざわつきは酷くなる一方、アルフレッド公爵は、何でもないような顔をしていた。
「あの。すみません、道を開けていただきたいのですが。」
「あっ...申し訳ございませんっ」
「一刻も急ぎますので。邪魔だけはしないようお願いします。」
アルフレッド公爵は、そう言い切ると、涼しい顔でお屋敷の方へ颯爽と向かった。
へぇ。意外。
アルフレッド公爵は女性に人気があることは知っていた。だから、私の中のイメージでは、女性にとにかく優しくて、女たらしな感じだと思っていたのに。
あんなにきっぱりと邪魔だとか言うのね。
しかも、自分に対してきゃあきゃあ言う女に。
でも、誰彼構わず邪魔だとか言うようなタイプではなさそうだから...
もしかしてあれは、怒っていたのかな?
それにしてもどうしてリーフィティア家のお屋敷が分かるんだろう?
様々なことを疑問に思いつつ、私は自分のやるべきことを全うすることに努めた。




