怪奇二 ドリームキャッスル(その五)
「すごいね」
「え?」
「そこから動かずに、見届けるってさ」
「あはは。腰が抜けて動けないだけです」
すっと出された手に、紗耶香はすがった。
「あのさぁ、俺があなたを口封じするとか考えないの?」
「……」
そんなことは頭からすっかり抜けていた。まずい。
「冗談だよ」
この男の話はどこまでが本当で、どこまでが嘘なのか分からない。
「さて、行こうか。あっちはとりあえず逃げてもどうでもいいと思ってるし」
あっさりと紗耶香を抱えて動く。
水沢が第一に狙ったのは、姉の方。妹はついで。そんな感じがした。
「兄ちゃんに手を下したのはあっちだしさ。妹は便乗犯だし。あとは、あれの母親を何とか出来ればいいと思ってたんだけどさ」
そこで変に水沢が区切った。
「あなたにあれら以下に成り下がってもいいのかって言われたけど、俺は別に構わない。それが答えだけど」
「そうですか。なら止めません。殺人ほう助に取られたくもないので、あとは関わりません」
そして、ドリームキャッスルの前で、紗耶香は水沢と別れた。
水沢にとって、復讐は生きる意味だったのだろう。ああ言っていたが、おそらく妹も狙うはずだ。
そして未だ携帯は繋がらず。
大内は無事にこのランドから抜け出せたのか。それすらも分からなかった。
区切りがいいので。これでドリームキャッスルはおしまい。
次はジェットコースターです