再開
……ものの数日のできごとが、見慣れた我が家を懐かしいものに変えてしまったようだ。
門の前に立ち僕は、なぜか少し、緊張した面持ちでインターホンを鳴らした。
こっちではあれから数時間しか経っていないはずだけど、不安は拭い切れなかった。
『はい』
果たして。インターホンからは、外行きの可愛げな声が流れ出す。無論、妹だ。
「……ただいま」
言ってるそばからおかしくなって、笑いをこらえるのに必死だった。
備え付けの小型カメラをからかうように覗き込んでいると、門が勢い良く開け放たれた。
「……遅い!! 坂本さん、もう帰っちゃったよ?」
その刺々しい口調とは裏腹に、瞳が若干潤んでいた。妹は、所謂ツンデレなのだ。
「ごめんごめん、ちょっと、道に迷っちゃってさ……」
「はぁ? 何をどうしたら道に迷うのよ!」
まだ怒りが収まらないらしく、やや高めの位置で結ばれた紺色のポニーテールがぷんすか揺れている。余程心配だったらしい。
僕は怒りを鎮めるため、顔一つ分下にある頭に手のひらを乗せ、撫でてやった。
「ちょ、ちょっと……」
抵抗するが、満更でもないらしい。そんな妹に、僕は改めて口を開く。
「――――ただいま、加奈子」




