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その二 猫舌×カップラーメン (改)
「――――そろそろ三分たったカナ?」
「……だから、まだ早いってば」
事務室の中で右折して通路に出たところを正面にある所長室を左折し、二階への階段を上って扉を一つ素通りした先の部屋、〝第二作戦会議室〟にて、待ち切れないとばかりにカップメンのふたをめくる薫さんの手を、加奈子さんが苦笑しながらやんわりと制した。
どうしてここまでの道のりをこうも懇切丁寧に描写したかというと、
「これから毎日のようにここに通うことになるから、頭にしっかり叩き込んでおいた方がイイヨ。なんだったら後で、手に書いてあげよう」
こういうことである。ちなみに、
「……い、いえ、もう覚えましたから。大丈夫です」
このやりとりをするのはこれで四回目だ。念押しにもほどがあると思う。
「えぇーーっ!? ちょっとちょっと、みえみえな見栄は張らない方がいいヨ? 私だって、今でも時々迷っちゃうんだから」
ダジャレのつもりなんだろうか。




