その二 廃工場内部2
「おいおい、まさか、知らないとは言わせないぜ? 怪物は紫外線に弱い。だから高濃度の紫外線を放射する武器で怪物を倒すんじゃないか」
「え? あっ、あぁ、も、もちろん知ってますよ。あはは……」
口が引き攣っているのが自分でも分かった。
「……おい、ナビゲーター。そんな話聞いてないぞ?」
なるべく不自然にならないようさりげない動作で背を向け、小声で囁きかける。
『STKが使用する武器の概要については質問されなかったため、必要ないと判断しました』
「馬鹿っ! 声が大きい」
『申し訳ありません』
「どうした? さっきから何を話し合ってるんだ」
柴崎さんが突然横からぬっと現われて、思わずひっと短い悲鳴を上げてしまう。
「あ、いぃえ、その、――――もしかして、お二人とも色黒なのは……」
年上を相手にしている緊張からかしどろもどろになってしまった。それでも何とか加賀山さんが拾ってくれて、話を逸らすことに成功する。
「あぁあ、そうだよ。招集される度に日焼けしちゃうから、おかげでお肌も髪もぼろぼろになっちゃって。若いころは日焼けサロン代が浮くとか言って喜んでたんだけどね」
「……」
――――どう返すべきなんだろう。全員同じことを思ったのか、その場が水を打ったように静まり返る。
十数秒後、口を開いたのは柴崎さんだった。
「まぁ、あと二年で三十路だしな」
水が、広がった波紋ごと凍結した。
「――――さ、そろそろ行こっか」
その、笑顔とは程遠い何かに、鳥肌が立った。




