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怪物の通る歩道橋  作者: 羽川明
七章
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その四 予感

「うわぁっ、来たぁ!」

 ようやく歩道橋の下から姿を現した手々悪魔の(ちぢ)れ毛の生えたレモンみたいな背中(?)に向け、レーザービームを打ち込んだ。ついでに緑のボタンも押しておく。

『手々悪魔(ててあくま)。危険度:三』

「アイツ、しぶといな……」

 真下を通過して行った手々悪魔は、ここに上って来る前にレーザーを連射しておいたはずの大きい方だと思われた。さっき倒した小さい方や昨日の三体は全部一発で撃破できたのに、こいつだけは生き残っているなんて――――まさか、あの連射を全て躱したのか? いや、まさか。

『敵二体、撃破』

「二体……?」

 なんとなく、嫌な予感がした。脳裏に、人ト非のあの、体の芯から震え上がるような不気味な叫びが(よみがえ)る。

「なんで一体増えてるんだ?」

 なぜだろう。声が少し、震えていた。

『警告 全方向から複数体接近中。計十三体。平均推定危険度:三.一』

「なんだよ三.一って! 三より上が混じってるのかよ!! しかも、十三体って……」

「キミくん、落ち着いて! すぐそっちへ行くからサ」

「無理だ、こんなの……! できっこない」

 この眼には、何も見えない。ただ、見慣れた景色があるだけだ。住み慣れた、いつもの街。いつもの朝。天気だって、なんてことは無い青空だ。


 でもそれが、たまらなく怖い。


 何が、ここに残って戦うだ。たった三体倒したくらいで、ヒーロー気取りかよ。しかもそれも、この保護メガネのおかげじゃないか。

 この、残り三十パーセント以下もないエネルギーがゼロになったら、僕はただの役立たずだ。都合の良い(まと)だ。あのどす黒い腕を、見さえできずに貫かれて、……貫かれて、どうなる?

 あれに貫かれたら、僕はどうなる。死ぬのか? ちゃんと死ねるのか? それとも――――

 ――――あの人ト非みたいに――――

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