出席をとります。
今入ってきた雌ゴブリンは、白い髪に土色の肌。
年齢は多分、20歳いくかいかないかくらい。
こいつらの姉ちゃんか?
助かった!何がどうなってるんだ、この状況を説明してくれ!
「キィキ〜」
あ、下級ゴブリンさんでしたか……
いや、下級とかでガッカリしたんじゃなくて、だって言葉が通じないと説明のされようがないじゃないか。
「みんなー!」
おっとここで新たな刺客!
しかし今度は上級ゴブリン!
しかもしかも、見た目は白ゴブリンと同じく20歳くらいの黒い爽やか系雄ゴブリン!
そのたくましい片腕には緑色のベイビーゴブリンが抱えられている。
「まったく、ダメじゃないか勝手にお客さんのお部屋に入っちゃあ」
いや、入ってきているのは貴方も同じことなのだがそれはこの際どうでもいい。
「整列!」
「「「キィ!!!」」」
「出欠!アン!」
「キィ〜」
白い雌ゴブリンが、ハキハキとした黒い雄ゴブリンとは対象的にふんわりと返事をした。
「ドゥ!キィ!」
って、自分かよ!
「トロワ!」
………………
「兄、トロワとカトルはお部屋」
黄色のゴブリンがそう教えた。
その横でピンクと赤のゴブリンがケタケタ笑い転げている。
「ぬわにぃぃいい〜!?
よしっ、すぐ連れてくるっ!」
いや、ツッコミ遅くなりましたけど貴方はこの子たちを連れ戻しに来てくれたんじゃないんですか!?
なんでここで出欠とってんですか!?
そして連れてくる必要ありますか!?
「!うおおおおおぉぉぉぉぉ…………」
……
行ってしまった。
「ぉぉぉぉぉおおおおおう!」
そして戻ってきた。
片手には、さっきもその腕の中にいた緑色のベイビーゴブリン。
……って、持って行ったんかい!
そしてもう片方の腕には私たちより少し年上くらいの青い雄ゴブリンが迷惑そうな顔で抱えられていた。
そりゃそうだ。だが、驚きの表情が無いことから、こんなことは日常茶飯事であることが読み取れた。
そして黒ゴブリンに肩車されて来たのは、これまた気怠げな面持ちの水色雌ゴブリン。
多分女子高生くらい。
その子の肩には畑作用のクワが担がれていた。
……って、なんでクワ!?
と、ここまでツッコミどころ満載だったのだが、私に一切ツッコませる隙など与えずに改めてと、黒ゴブリンが再び点呼をとりだす。
「アン!」
「キィ〜」
白い髪に土色の肌、20歳くらいのおっとり雌ゴブリン。
「ドゥ!キィ!」
いや、もういいだろ!
しかも、なんで返事は「キィ!」なんだよ!バリバリ言葉話してたじゃんか!
……まぁいい。
黒い髪に土色の肌、20歳くらいの爽やか系雄ゴブリン。
「トロワ!」
「へーい」
さっき肩車されて来た、女子高生くらい、水色の気怠げ雌ゴブリン。
……だから何でクワ………?
「カトル!」
「……キィ………」
こちらもさっき引きずられてきた、反抗期真っ盛りって感じの青色雄ゴブリン。
けどちゃんと返事はするのね、偉いな。
「サンク!」
「キキッ!」
次に返事をしたのは、さっき私たちに何か言ってきた橙色のツインテ雌ゴブリン。
多分だけど、私たちと同い年くらい。
「スィス!」
「はぁーい♪」
そして次は、赤リボンのついたフードを被った、なんかちょっとド○ミちゃん……コホンコホンッ!!
「セプト!」
「キキキキッキキ〜〜!」
テレレレッテレ〜〜!
って!!!絶対偶然だろうが、このタイミングでその効果音はダメ!!
いま返事をしたのは、さっき元気よくベッドの周りを駆け回ってくれていた赤色の雄ゴブリン。
年は小2くらい。
「ユイ!」
「タッタカタッタ、ターッタラ〜!」
うぉい!昔のバージョンまで引っ張り出してくるんじゃない!!
ボケを重ねてきた(?)のはこれまたさっき元気よくベッドの周りを駆け回ってくれていたピンク雌ゴブリン。
年は幼稚園の年長さんくらい。
「ナフ!」
「……キィ」
ん?どこから声がした?
あっ、そこか。ドラm……ゲフンゲフン!
の、後ろに隠れてて見えなかったぜ。
いま返事したのは、年小くらい、人見知りです。って感じの緑色をした雌ゴブリン。
「ディス!」
「あぃ」
んで、最後に返事をしてくれたのは、闘牛兄貴に抱えられっぱなしにも関わらず済まし顔のクールベイビー。
見た感じ黄緑色の雄ゴブリン。2歳そこそこって感じだ。
これで全員集合。
突如始まった点呼は衝撃的で、それでいて愉快だった。
学校の点呼では何も感じるところなどなかったのに、まったくこの兄弟たちは私を飽きさせてはくれなさそうな予感だけがしていた。
イラストどうでしょうか!?
気に入って貰えれば幸いです♪(素人のくせに結構10人とか頑張った……)
みなさんは、どの子がお気に入りになるでしょうか?♪
庵は、ユイですかね!




