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Wikipedian大先生vs長老ゴブリン!


 私が連れてこられたのは、おそらくこのゴブリンたちの築きあげてきた集落の中で最上級の建物だった。

 

 見た目は、いつか歴史の教科書で見た高床式倉庫。

 この場合、森の秘密基地と言った方がいいかも知れない。

 にしてはデカすぎだがな。

 キングが10匹くらい入るな。

 

─────



 私は下級ゴブリンという、言葉を話せないゴブリンたちが担ぐ小さな神輿に乗って移動した。

 私の怪我が尋常じゃないってのもあるが、何よりも“メシア様のお連れ様”ってのがこの待遇の一番の理由だろう。

 なぜか一緒に長老も乗っているが……


 そしてこの建物──長老の屋敷に着くまでの間、長老ゴブリンは“ゴブリンとは”について熱弁してくれた。

 もし、いま私の手元にスマホがあって、同じく“ゴブリンとは”とググったらWikipedia大先生が、一般的なゴブリンについて分かりやすく解説してくれることだろう。


 勘違いするといけないので先にWikipedian大先生にご教示いただくと、


 “ゴブリンは、ヨーロッパの民間伝承やその流れを汲むファンタジー作品に登場する伝説の生物である。まれに「ガブリン」とも表記される。以下のような様々なイメージで捉えられている。 ゴブリンとは、邪悪な、または悪意をもった精霊である。 ゴブリンとは、おふざけが好きで意地の悪い妖精である。”──Wikipedianより引用。


 と、いうのが一般的なゴブリンに対する知識だそうだ。



 「我らゴブリンというものは、勤勉で、賢く、気高い存在でありあらゆる事柄において他のモンスターよりも長けておる」


 長老ゴブリンは私と並んで揺られながら、大袈裟に胸を張る。


 「長い歴史の中では諍いも起き、罪無きゴブリンたちのみが苦虫を噛み潰すような思いもした。だが、誇り高きゴブリンたちは臥薪嘗胆がしんしょうたんし、やがて知を持ってこの世を制した!」


 話に熱が入ってくると、長老ゴブリンの身振り手振りも大きくなってくる。

 イテッ、ちょっと今こぶしが当たったんですけど。


 「愚かな種族は滅び、最後には賢者が平和を勝ち取りこの世を治める!

 これ即ちゴブリンの事なり!!」


 あーもぅ。年寄りって、どうしてこう歴史や昔話をしたがるかなぁ?

 しかも、十中八九自慢だし、後で同じ話を何度も聞かされる羽目となる。

 あ、これ私の経験則な。


 という訳で、このあとも長老ゴブリンの、長老ゴブリンによる、長老ゴブリンのための個人的なゴブリン愛の演説が続くであろうと考えられるので、聞き流すよーに。


─────


 こんな調子で同じ話を聞きながらしばらく神輿に揺られ続け、耳にタコが出来かけたその時、この長老ゴブリンのお屋敷に到着したってわけ。



ブクマ100件突破ありがとう記念絵が描けました!(今頃……)

テーマはアンケート結果より“ポッキーゲーム”♡

この後のストーリーに使いますので仁娯はウハウハ♪笑(ぐへへ、リリスとチュチュのポッキーゲーム♡♡♡ԅ(¯﹃¯ԅ)グヘヘ)

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