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私たちの魔法適性が判明しますよ!

今後しばらくギルドでの事務的内容です。

サラッと流してもらって大丈夫ですが、よろしくお願いします(*' ')*, ,) ぺこっ

「さぁ、冒険者登録へ行こう!」


 思い立ったが吉日、善は急げ、その日の用事はその日の内に!


 今日は天気もいいし、空気もカラッとしていてくれたおかげでワンピースも早く乾いた。

 ワンピース自体が薄かったという事もあるけど。


 ん?下着は乾いたのかって?

 そもそも下着は着けていたのかって?

 それについては、私たちに服を用意したコレーとか言う変態鬼死女神に聞いてくれ。

 私からは一切、ノーコメントでいかせてもらうよ。


 ってなわけで、取り敢えず、集落の方へ行こう。

 人がいるところに情報は集まる。

 この街はそこそこ繁栄しているようだし、冒険者登録所もあるかもしれない。


 そういう事で、私たちは市街へ向かった。

 街を歩いていると、この世界が異世界であることを実感する。


 いや、エルフとかドワーフとかは人族と共存生活しているわけではなかったんだけど、街の中の店を見ていると、武具や防具を売っている店には、魔法の杖や剣、盾などなど、まず日本ではお目にかかれない代物が所狭しと売られていた。


 薬屋の看板には“魔力強化剤あります”の文字。


 怪しげな道具屋のショーウインドーを覗くと、“獣人の毛皮”や“ゴブリンの爪”と説明書きされた商品が陳列。


 こんなの売れるのか?とか思うけど、この世界は売れるんだろうな。

 でないと商売なんてやってらんないわけだから。


 さらに街を歩く街人の中にも、大きな三角帽子を被った人が歩いていたり、中には見せ物として水を操る曲芸のような魔法を披露している人もいる。


 もし日本の街中まちなかでそんな格好してたら、中二病こじらせた残念な子にしかならない。


 ママー、あのお姉ちゃん、どうして変な格好してるの〜?

 しっ!見ちゃいけません。


 なんて後ろ指さされるのがオチだろうが、そんな心配はこの世界では無用の用だから、あとで私も衣装チェンジしよーっと!

 こんな鬼死女神のワンピースなんて、いつまでも着ていたくないからね。


 私はこの世界に来て初めてはしゃいでいた。

 それもそうだ。

 街を見物しているだけでも、まるでゲームの世界にいるようで二次元オタクとしてはかなり心躍るものなのだから。

 



 「あったあった、ここが冒険者ギルドか」


 冒険者ギルドには、冒険者登録をする他にも依頼を受け付けたり、それを冒険者たちに提示する掲示板があったり、報酬を受け取る窓口があったりするので、武装した人や、いかにも魔法使いです!って感じの人、何やらモンスターの一部を持っている人などで賑わっていた。


 受付をして、チュチュとその辺の長椅子に腰掛ける。

 あ、もちろんチュチュとの間は1人分空けてだがな。


 そしてすぐに私たちの番が回ってきた。


 「こんにちは。リリスさん、チュチュさん。今回のお2人のご用件は、新規で冒険者登録でよろしかったでしょうか?」


 そう優しく聞いてくれた職員は、胸の大きなお姉さん。

 今すぐ隣の窓口の硬派なビジネスマンと変わってほしいが、彼に迷惑をかけるわけにはいかない。

 ここは私の寛大さに免じてこの職員さんで我慢してやろう。


 「そうですけどなにか?」


 ただしそれ以上を望んでくれるなよ?

 私は女が嫌いなのだ。

 百戦錬磨の受付嬢ならこのくらいの威圧、耐えてみせろってんだ。


「では、登録手数料としまして、1000コレイかかりますが、よろしいですか?」


 え?


 「えっと、……」


 ごめんなさい。

 さっきまでの態度は謝ります。

 私が悪かったです。

 それと、一文無しです。


 私はチュチュに視線を送ったが、こいつは絶対にお金なんか持っていない。


 「あのぉ……借金って、できますでしょうか?」


 あぁ、惨めだ。

 先ほどまで見下していた相手に、こうも優しい笑顔を向けられると、己の愚かさを突きつけられた感じがする。


 「大丈夫ですよ。では、こちらの冒険者カードの所持金欄がマイナス1000コレイからのスタートになります」


 はぁ……いきなり赤字スタートとか。

 まぁ、これから稼いで返せばいいか。

 さっき街を歩いていた時に見かけた500ミリリットルジュースらしきものが150コレイって書いてあったから、1コレイは1円とみていいだろう。

 ってことは登録料1000円か。


 「そちらの冒険者カードは無くさないようご注意ください。再発行には100,000コレイかかります」


 高っ!

 冒険者カード再発行10万円とか、高!


 くそ、この腹黒女め。

 遂に笑顔の仮面を外したな!?

 まったく、駆け出し冒険者から10万もぶん取ろうなんて、なんて卑劣な……

 これは絶対に冒険者カードは無くせないな。 


 「では、早速ですがお2人のステータス等を測っていきますね」


 そう言って職員さんが差し出したのは、ゴチャゴチャとメーターやらコードやらが取り付けられた黄色の石。


 「この石は魔術道具のひとつで、雷系統魔法の鑑定スキルを一般人にも見えるように紙媒体に写すものになっています。

 まぁ自動プロフィール作成機と思ってください。

 そしてそのプロフィールをもとに冒険者としての職業を決め、ギルドに登録されます」


 なるほど、つまり今から私たちの登録プロフィールを作るわけか。

 

 「やってみるのが一番わかり易いと思います。というわけで、こちらに手をかざしてみてください」


 というわけで、百聞は一見に如かず。

 職員さんに促されるまま職員さんに冒険者カードを渡し、私たちは黄色い石に手をかざすと、数秒後にはレンチンに似た音がして、石と職員さんがコードで繋げた私たちの冒険者カードに文字が浮かび上がった。


 「はい。こちらがリリスさんとチュチュさんのプロフィールになります」


 あら簡単なのねぇ。

 どれどれ?……

 


【ユリ・リリス】

 女 12歳

 LV1

 魔法適性:火・闇

 体力:58/58

 魔力:100/100

 筋力:35

 敏捷:128

 物防:78

 免疫:890

 魔耐:5

 幸運:1

 スキル:【『女嫌い』『バスト(AAA)』】

 このスキルを習得しますか?→『器用』

 《女の敵》



 なるほど、これが私のプロフィールか。


 一番気になるのは、やっぱ魔法適性だな!

 私の結果は、火系統と闇系統に適性ありと。

 ふむふむ、火系統と闇系統の魔法が習得できるわけね。

 なんかいいんじゃね!?

 火は攻撃力高そうだし、闇とか中二病が無いこの世界ならリアルにカッコイイし!


 ……え、無いよね?中二病。

 まぁ、無いということにしておこう。

 

 あと気になるのは、スキル!

 『女嫌い』

 『バスト(AAA)』


 ……これはあれだな。

 あの鬼死女神の呪いだ。

 となると、括弧かっこの中のAは、カップ数だな。

 よかった。まだトリプルエーだ。

 これが永遠に続けばいいんだけどな……はぁ。


 んで、このスキルを習得しますか?

 なんだこりゃ。『器用』?

 うーん。よくわからんがこれはあれだな。ゲームのボタン操作で培ったスキルだな。

 なんの役に立つんだか。


 ……って、初期スキルこれだけ!?少な!

 しかも使えねー。

 とっととスキル習得しないと、どこへも行けねぇな。

 こんなんで迷宮乗り込んだら自殺行為だわ。


 そして1番気になるのは、これだ。《女の敵》


 ……何だよこれ!?

 あれなのか、私をひと言でまとめたらってことなのか!?

 って、今わたし女だぞ!

 女が女の敵って、意味わかんねぇし!

 他にもっと無かったのかよ!


 ところで、チュチュの方はどうだったのだろう?

 婚活男子じゃあるまいし、女のプロフィールに興味はないが、一応これから一緒に冒険者やるんだ。

 知っておく必要がある。

 というわけでそぉ〜っとチュチュの冒険者カードを覗き込む。



【リップ・チュチュ】

 女 12歳

 LV1

 魔法適性:水・雷

 体力:22/22

 魔力:6890/6890

 筋力:5

 敏捷:100

 物防:14

 免疫:13

 魔耐:29

 幸運:30

 スキル:【『鑑定(3)』】

 このスキルを習得しますか?→『真顔』『攻めの姿勢(1)』

《魔法力高めココアフロート系女子》


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