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キング戦。作戦実行!


 私の腕からスルリと抜け落ちたチュチュは、キングのツタウルシに呑み込まれていく……




 ……寸でのところでチュチュは自力で別のツタを掴んで攻撃をかわした。



 「リリス、作戦。チュチュもツタを探すっ」


 そう言ってブイサインを送るチュチュ。

 余裕じゃねぇか。


 「おう!」


 ふぅ……

 けど正直焦ったわ。

 まぁチュチュの方は取り敢えず大丈夫そうだ。

 


 「そこかぁ!」


 地面にふわりと着地した私に間髪入れず、キングがツタウルシのムチを叩き落としてきたので私は再びツタを掴んで空中へ。


 もう、キングまじで邪魔!

 ツタ探しできねぇじゃねぇか!


 まぁ、コイツがいるからツタを探さなければいけないのだが……

 

 仕方ない。

 こうしてツタを飛び回りながらチュチュのおめがねに叶うツタを感触で虱潰しらみつぶしに探していこう。


 そうだよ、そのほうがいいじゃねぇか。

 これならキングのムチもかわせて一石二鳥!

 あー、私って頭いい〜♪


 というわけで、私は縦横無尽にジャングルを飛び回る。


 いやぁ〜、「ツタ渡り」ちょっと楽しいぞ。



 「ちょこまかと!きんぐ、おこった!」


 いやいや、もうとっくに怒ってんじゃん?

 怒りマックスだったじゃん?

 それで飛び出してきたセリフが「ばかっていったほうがばかなんだあああああああああああ」だろ?

 正直爆笑モノなんだけどっ。


 だが次の瞬間、キングの大きながま口からもう1本のツタウルシが伸び出てきたのを目にした瞬間、私は目を疑った。



 まさかの二刀流……!?


 「うぉぉぉおお!!!」


 これは不味い!非常に不味い!

 私が辛うじて掴んだツタは、次の瞬間にはツタウルシの濁流のごとき勢いに呑み込まれ、周りの草木も酸でドロドロになっていく。

 

 もう手の感触でツタなんか探してる余裕なし!


 モグラ叩きゲームのモグラが引っ込む前に何度もハンマーを振り下ろすストレス溜めまくったOLのごとく、キングが私めがけてツタウルシの槍を何度も振り下ろす。


 そんな余裕のない中だが、かろうじて目の片隅にチュチュが手を振って合図を出しているのが映った。


 どうやら手頃なツタを見つけたらしい。


 ──ズドーンッ!


 「…っつ!」


 キングの二刀流ツタウルシがジャングルの木々を薙ぎ倒していく。

 自然破壊も甚だしい。


 「ゲコオオオォォォオオオ!!」


 んにゃろぅ……バカって言ったくらいでそんなに怒るなよな!

 我を忘れて言葉でなく、猛獣の叫び声を発してるし。

 知能が低いモンスターは沸点が低くて困る……!


 「だが、嫌いじゃないぜ。

 バカって言われて言われっぱなしのやつより、私はお前みたいにプライド持ってる奴のほうがよっぽど好きだぜっ」


 「そこだぁ!」


 よっと、あぶねっ!スカートの裾が掠ったぜ。

 さすがに同じ経路を飛び回ってたらキングも先回りしだすか。

 けど、そろそろかな。

 チュチュの準備も整った!


 「おまえにげるだけ。きんぐ、つかまえる!」


 悪いね。その前に私がお前を捕まえる!


 そして私は発動させる。

 キングが後ろ足でポリポリと掻くだけに終わった「温度操作(2)」を!


 「“我ここに望む 全てを我の手の中に この温度を上げよ”!」




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