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キング戦。爆笑ww

 

 耳の鼓膜が破れてしまいそうなほどの爆音。

 その血走った目は、見た者の“動”を奪い、自分の心臓の音すら止めてしまいたいと思わせるほどの緊張感と矛の如き鋭さを宿している。


 なのに、それなのに……

 その恐ろしいほど大きな脳ミソのタンクから捻り出した喑噁叱咤いんおしったは……


 「ぷっ……ふははははははは!

 な、なにこいつぅ〜!たっ……溜めていうセリフがそれかよぉ!!

 ヒィ〜……クククッ……

 小学校低学年じゃねぇか!

 あひゃひゃひゃひゃ………だ、だめだ腹いてぇ〜」


 「リリス、笑いすぎ」


 「ひぃひひひひひ………」


 これが笑わずにいられるかっ!

 あーやべぇ、まじでツボった。

 止まんねぇ!

 

 「きんぐのこと、わらうな!

 ばか!ばか!ばかあ!」

 

 血走った目を更に真っ赤に染めてキングは怒鳴るが、もうそれは私にとって鉄板ネタだ。


 「やばいから、くくく……

 キング、ちょっと今しゃべるな……ひひっひひっ……」


 私は腹を抱えて涙を流しながら笑いを止めようと必死だ。


 「リリス、危ない!」


 笑いすぎで視界が悪くなった私は、一瞬何が起こったのか分からなかった。

 が、「ツタ渡り」でチュチュが私に飛び込んできたのだとすぐ理解し、反射的に私はチュチュにしがみつく。

 

 と、さっきまで私が笑い死にしそうになっていた場所が煙を上げてシュウシュウいっている。


 それで私はようやく冷静になった。



 ──プチッ


 ブランコを思いっきり漕いで、1番高くなったところで飛び降りたことがあるだろうか? 

 生憎、私には経験なかったが今日がそのはじめての経験になった。


 チュチュが「ツタ渡り」で使ったツタは、2人分の体重を支えるには細すぎて、1番高くなったところでプツンと切れた。


 おかげで私たちは空中に投げ出されてしまった。


 「きんぐ、にがさない!」


 そこへ空かさずキングがツタウルシのムチを伸ばしてきた。


 「このぉ!ワンパターンなんだよ!!」


 今度は私がチュチュをしっかりと腕で抱え直して、痺れていない方の手で「ツタ渡り」。


 「まてえ!」


 それを更にキングはツタウルシで追う。


 私の「ツタ渡り」とキングのツタウルシの一進一退の攻防が続いた。


 「しつけぇ!」


 私が一瞬ツタから手を離し、もう1度また別のツタを、片手だけで掴もうとした時、チュチュを抱えている腕──痺れている方の手からチュチュが滑り落ちた。


 「チュチュ!!」



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