キング戦わたしが泣かせたの!?
「“馳せる馳せる 伝えよ稲妻 森羅万象我が想い”」
「ゲコっ!」
うぉ!?
キングの大ジャンプ!!
こんなにデカイ図体してめちゃくちゃ早ぇとかヤバイな!
しかもジャンプめちゃ高ぇし!
けど、モッタリと頭悪そうに言葉を話していたキングが焦ってカエルの鳴き声を漏らしたぞ。
それをさせたのはチュチュの「ショック(1)」だった。
「リリス、ここはチュチュがやる」
私の早歩きについて来られず、今更追いついて来たチュチュだったが、ようやく追いつきこの一撃。
「はぁ?何言ってんだよ、お前1人じゃ無理だっつーの!」
「リリス、あそこ」
って、無視するな!
「あの穴、第3フロアの入り口、でしょ?」
チュチュが指差した先にあるのは、ツタのカーテンで覆われてはっきりとは見えないが、10メートルほど上に、ポッカリと空いたトンネルがあり、その先からジャングルの湿った暑い風とは明らかに違う空気が流れていた。
「あぁ、そうだ。地図で見てもあれが恐らく第2フロアと第3フロアを繋げている唯一の穴だ」
見つけた次への入り口。
一刻も早く先へ進みたい気持ちはあるが、それにはツタの登り棒を登る時間がない。
まずはキングを倒さなければ。
キングは只今、その辺に飛んでいる虫をパクパクとお食事中で、雑魚キャラ3匹がキングをこちらに引きつけようと奮闘している。
「リリスは先に行って」
「いや、無理だろ。キングが来ちまう」
「だから、ここはチュチュがやる」
こいつ、何言ってんだ?
「だーかーら、お前1人じゃ無理ゲーって言ってるだろ!」
「そんなの、分かんない」
「わかる!」
「どうして?」
「どーしてもだ!」
「さっきのヴァイン・フロックだってチュチュが殺った!」
「それは私が引きつけたからだろ!?」
なにこいつ、意固地になってんだ?
自意識過剰なのか?勘違いで余計な自信付けちまったのか?
そんなやつには思わなかったんだが。
「……って、えぇ!?」
「ひっ……ひっく…………」
な、なんで泣いてんだよ!?
「お、おい!泣くな!
ちょっ、意味わかんねぇよ!」
「えっぐ……だって、リリス………」
えええええ!!私が泣かせたの!!?




