キング戦ピンチ。
──ポリポリ……
「カエルも犬みたいに後ろ足を使うんだなぁ」
……って、そんなこと言ってる場合じゃない!!!
え、「温度操作(2)」が全く通用してない!?
だって、ウロコ蛇のウロコはドロドロに溶けてたじゃねーか!
カエルの皮膚くらい溶かせないの!?
なに、デカすぎて蚊が刺したくらいにしか感じないの?
それとも馬鹿すぎて痛みを認識できないの?
どっち!!
……って、どっちにしろ効いていないんじゃ意味がない。
なんてこった。
「ならば、これだ!」
キングとか言うバカでデカイカエルがポリポリと首を足で掻いている隙に、ヴァイン・フロックから見よう見真似で習得したターザンのツタ使いでキングの背後に回り込む。
そしてキングの赤地に紫斑点模様の皮膚に触れ、私の第2の攻撃手段、「ドレインタッチ(2)」発動!
「うわっ、痺れるっ!!!」
なんじゃこりゃ!?
キングの皮膚に触れた右手が、めちゃくちゃ痛いんですけど!?
「まさか、皮膚に毒が!?」
まずい、死ぬほどの痛みが1週間続いたら死ぬ!
いや、でもそれって1週間耐えればいいのか?
1週間耐えたら痛みも消えるのか?
そしたら死なない??
……って、その前に精神的にヤラれて死ぬわな。
あぁ!痛い痛い痛い…………痛い?
「お?
けどこれは死ぬほどの痛みと言うには程遠いぞ?
そうか、ツタウルシとはまた違う毒なんだな。
取り敢えずよかった、死にはしない!
けど……」
グーパーグーパー……
右手がうまく動かねぇ。
痺れて硬直してやがる。
そういうタイプの毒ね。
こりゃ足とかでキックしなくて良かったわ。
タダでさえムチをギリギリでかわしてるっつーのに、足が痺れて機動力を奪われたら、今度こそツタウルシの毒に捕まって1週間痛みに苦しんだ挙句アウトだ。
いや、その前にキングにパクリだな。
あんなアホ面の栄養になるなんて、考えただけでゾッとするな。
「きんぐ、はらぺこ」
また来た!
酸性唾液のオプション付きツタウルシのムチ!
攻撃濃いよ!
ってか、あっちばっか一方的で私の攻撃は全く効かない。
「きんぐ、たべる」
やべーんじゃね?これ。
温度操作もドレインタッチも効かない。
打つ手無し!!
「いただきまーす」
キングがツタウルシのムチを私めがけて振り下ろそうとしている。
まじでピーンチ!




