ご機嫌と不機嫌。
朝だ。
ジャングルの朝は空気が美味しいものなんだなぁ。
空気は美味しいし、潤っておるし。
緑に囲まれなんとも爽やかな。
気分爽快胸もスッキリ!
あ、胸がスッキリなのは心持ちのことじゃなくてな。
「さぁーチュチュ起きろっ
どーせお前もあの光様のおかげで全回復してんだろ?
だったら張り切って冒険の旅に出発だー!
あっ、けどここでは焦る必要はねぇぞ。
ゆっくり行って構わねぇ。
安全第1、健康第1、3、4が無くて5に……いてててっ!」
と、チュチュがいきなり私の頬をつまんで両サイドに引っ張ってきた。
「いてぇよ!何しやがるっ!」
しかしチュチュはプイッとそっぽを向いて知らん顔。
こいつ……
「ふっ、まぁいい。
今の私はご機嫌マックス菩薩牧師なんでな。
罪深いキス魔を許そうではないか」
そして私は、シャルウィーダンスの差し出す手のごとく、意気揚々とリュックと木製盾を手に取り可憐に肩へと紐を通した。
「いざゆかん!
ロリモンスターを倒し、我が永遠なる貧乳を勝ち取らんために!」
決まった!!!
なんとも男らしい勇姿っ。
これぞまさしく私のあるべき姿!!
「リリス、スカートめくれてる」
「ひゃぃっ!!」
チュチュがバサッと私のおしりの方に垂れ下がるはずの布を引っ張って下ろした。
ぐぬぬ……
これだから女装束は……
店の亭主、女には女モンしか売らねぇなんてナメた真似しやがって。
ここに来て恨むぞっ!
「こ、こほんっ。
まぁ、それはそれとして……」
そして私は、れいの十字架に向き直り、再び2礼2拍手1礼っ。
さらに敬礼っ!ビシッ!
「それでは、行って参ります!
明日もよろしくお願いします!」
再びヘルガーデン第2フロアの獣道を進んでいくのであった。




