私が助ける。
呪いの発動時間。
胸が張り裂けそうな痛みに襲われる。
その痛みに目を覚まさずにはいられない。
「うぅっ!うぁぁぁあ!!!」
日に日に痛みは強烈になっていってる。
おそらく今、私のBカップがCカップへと変貌を遂げようとしているのだろう。
……って、冷静な分析してる余裕なんかねぇ!
痛い痛い痛い痛い!!!
湿ったジャングルの土が体に付きまくるのなかんかお構い無しってか、構ってる余裕ねぇ!
まじで今までで1番痛い!!!
「痛い痛い痛い!………って、は!?」
私は胸の痛みに悶えながら、視界にあるものを捉えた。
それは緑色に光って……いや、緑色に見えるのは私がそれを大きな葉っぱで覆ったからだ。
実際光っているのは中の十字架と腐ったヒトだ。
「ありゃなんd……って痛い!!!」
不思議な光を警戒し、見上げるのだが、痛みに体を縮めずにはいられない。
「あぁもう!こんな時にウザいんだよ呪いさんよ!ちと引っ込んでいておくれや!
くそ、何が起こってやがる!?」
状況把握を再優先させたい。
それにはこの痛みが邪魔だ!
胸を抱えるようにして倒れ込んでいると、十字架らから放たれる光が地面まで届いてくる。
……いや、地面に光が通っている!?
「なにが……何が起きている!?」
この異常事態に対処しなければならない。
この光は何がとてつもない力が働いて放たれている気がする。
もし敵襲なら、はやく逃げなくては……
「うがあああぁぁぁ!!!」
女ってこんな痛みを乗り越えて胸が成長してるのか?
違うよな、ぜってーちがう!
はやく終わってくれ!!
「リリス……」
「……っ!!」
痛すぎて言葉がうまく出てこねぇ!
「リリス、いま楽にしてあげる」
──……
ジャングルの暑さを忘れた、ひんやりとした甘さ。
その矛盾がなんとも心地よかった。
そして、スッと痛みが溶けていった。
──……
「チュチュ……も、もういい……」
私がそう言うとチュチュの動きが止まった。
唇は離さず、ただ動きを止めた。
そのまま数秒、私もチュチュも動かなかった。
ただ頭の中を空っぽにして、唇と唇を合わせていた。
が、10秒ほどしてチュチュがそっと下唇だけを離した。
そして、
「リリスは助けてって言えないの?」
──!?
今それ言うか!?
とんだブーメラン……
昼間、私がチュチュに言ったセリフをそのまま返されてしまった。
「そ、それとこれとは話が別だ!
ってか、お前それ根に持ってたのか!?」
私が唇を離そうとしても、チュチュがくっついてきて、上の唇をくっつけたまま私は声を出した。
「うん、根に持ってた」
「んなっ!」
ちっ、こいつも女だな。
女ってやつはいつまでもネチネチと昔の事を根に持つ生き物だからな。
「リリスだけずるい」
「はぁ?なにが?ずるくねぇし」
「チュチュもリリスを助けたい」
私がなにか思う前に、チュチュはぐっと迫り、すっかり私の体温と混ざり合った唇の間から、滑らかで、柔らかくて、優しいものを突っ込んできた。
「──!!」




