表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/264

体力:0


 私に巻き付く、ヤラしい縄を解くため、私は「温度操作(2)」をマックスファイヤーで発動させた!


 「熱っっっつ!!!」


 その熱さに思わずウロコ蛇も飛び退いた。

 透明なウロコから白い煙が出ている。

 

 やったね、ザマーみろ!


 けど、



 「痛っ!うぁぁ熱いっ!!!」


 それは私も同じだった。

 

 本来、「温度操作」は遠距離で物体に発動させるもの。

 それをこんなに全身密着した状態で発動させれば、火傷するのは当たり前だ。


 しかも、「温度操作(2)」は、まだ発動させたことがなかったためマックスファイヤーでの威力は未知数。

 私はなんと危険なことを……


 けど、これで「温度操作(2)」の威力は把握できた。

 マックスでだいたいプラス35度といったところか?

 ウロコ蛇の体温は知らないが、人間と一緒で平熱36度5分として、ウロコ蛇は一瞬、71度5分となったわけだ。


 となれば、そんな高温のものに触れていた私の肌も火傷する。

 よって私の絶対領域に、醜いウロコ模様の火傷ができてしまった。

 


 ピンチを脱せたのはいいが、諸刃の刃もいいところだな。




 「ってことは……まずい!」


 この諸刃の刃作戦は、使用スキルによって自分に返ってくるダメージの効果が異なる。

 私の場合、使用スキルは「温度操作(2)」。

 跳ね返ってきたダメージは火傷。


 「チュチュ、まて!」


 「“馳せる馳せる 伝えよ稲妻 森羅万象我が想い”」


 遅かった……


 今、チュチュが私と同じことをしようとするなら使用スキルは「ショック(1)」。

 

 これは、伝導性のものに触れて一方向に電流を流すというもの。

 

 つまり、ウロコ蛇の頭に電流を流せば、その尻尾に向かって電流が流れるのだが、今その尻尾にチュチュの体も繋がっていて、回路を成している。


 つまりチュチュも感電するということ。

 しかも、チュチュの魔力値はアホみたいに高い。

 なにせ、あの巨大ミズタマを1発で爆発させたからな。

 スキル(1)でアレとか、(2)以上になったらどうなるんだよ。

 

 ははっ、笑える。


 いや、笑ってる場合じゃねぇ!

 


 チュチュの体力値はマックスで22。

 孤独死草にやられた時4になって、そこから回復する時間はあったが全回復までは至ってなかった。

 そしてハシゴ登りうんぬんで疲れたところへ特大「ショック」だ。



 私は、感電したウロコ蛇を無造作に掴んで投げ捨て、地面に倒れて動かなくなったチュチュのポケットから冒険者カードを取り出す。

 その体力値を見て、私の血の気が引いた。



 ──体力:0

 


 「は?……体力値0?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ