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ガーデン…誤った方向へ。


 転送完了。

 私たちは一瞬にして、ギルドからヘルガーデンまで綺麗にテレポーテーションした。


 まったく、ワームツムリの時とは大違いだ。

 行き先も分かっていて、こんなに安全にテレポーテーションできるなら、ワームツムリはいらない子だな。

 だってあんなネバネバになって死にかけるテレポーテーションなんて、誰が好き好んでやるよ?

 そんな変態の存在なんて、認めたくないね。


 それはそうと……


 「でっけぇ……」


 転送先はヘルガーデン入り口。

 今、私たちの目の前に広がる迷宮は想像を遥かに凌駕する巨大さを誇っていた。

 

 迷宮といったら、なんとなく石レンガの壁や洞窟の茶色のビルみたいな建物を想像するかもしれない。

 が、このヘルガーデンは流石というべきか、木魔法系統の大迷宮に相応しく、その壁はツタやツルで編まれており、どちらかと言うと不思議の国のアリスに出てくる赤の女王のバラ園。


 その入り口から漂う不穏な空気や邪気、淀みは、「感知」がなくてもズンッとのしかかるように感じることができる。


 本当に、たったLv2の私たちが挑んでもよい場所なのだろうか?

 初の迷宮入り、こんな装備で本当に大丈夫なのだろうか?

 様々な不安要素が私を襲う。

 

 職員さんの言葉──迷宮の最奥に辿り着いて戻ってきた冒険者はいない。

 今更ながらその言葉によって暗に告げられた死の宣告に足がすくむ。


 「リリス……」


 心なしか、チュチュが私を呼ぶ声も不安そうだ。


 ええいっ、何をいまさら!

 こんなの、前世のRPGゲームで散々見てきたじゃないか!

 何度もプレーして、何十機も消費して、やりこんできたゲームの世界と同じだ!

 勇気を出して1歩踏み出せば、あとは何とかなるものだ!


 「よし行くぞ!」


 そうチュチュに声をかけると、私たちは、地獄のヘルガーデンの門をくぐったのだった。

 


 

 Mistaking the mean of brave may lead you down the garden path.


(ヘルガーデン入り口脇の木に刻まれている言葉より英訳)


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