別れは次へのステップへ。
後書きにお知らせありです★
「きゃー!おめでとう、リリス!
これであなたも立派な闇系統の魔法使いよ!」
さっきまで私にガンガン魔力を吸われ続けていたカレンだが、私のようにフラフラになることは無く、ピョンピョンと手放しで私の成長を喜んでくれた。
いったいダークエルフにはどれだけの魔力量があるのだろうか。
「ありがとう、カレン。
君のおかげだよ」
私は見事、カレンの「ドレインタッチテスト」に合格したらしい。
「ううん、リリスが頑張ったからよ。
私が教えてあげられることはもう何もないわ」
「そんな、本当はもっといろいろ教えてもらいたいよ」
本当にそうだ。
なんだかんだ言って、カレンとの特訓は楽しかった。
彼女はうまく私のやる気を引き出してくれていたし、ここまで特訓にトコトン付き合ってくれた。
「あと、アーティにもお礼を言ってあげて。
実は初めの方、リリスの魔力消費が余りにも多かったから自然な感じでアーティがドレインタッチで魔力をリリスに分けていてくれたのよ」
コソッとそう私に耳打ちしたカレン。
「そうだったの!?」
全く気が付かなかった。
私は噴水の段差に腰掛けるアーティに近づくと、ペコリと頭を下げた。
「アーティ、命を助けてくれただけでなく、私の特訓にも付き合ってくれて本当にありがとう。
この恩はいつか必ず……」
「カレンが勝手にやったことだ。
さぁ、午後から仲間と合流して迷宮へ行くのだろ?
早く行け」
相変わらずそっけない態度のアーティだが、それが嫌な感じがしないのが彼だ。
「うん、ありがとう。
カレンも!
私、迷宮攻略頑張ってくるよ!」
「うん!行ってらっしゃいリリス!
気をつけてね!」
こうして私は、新スキル「ドレインタッチ(2)」をマスターして、アーティ、カレンと別れた。
「よっしゃ、これでようやく火系統と闇系統の両方が手に入った!
待ってろよ、ヘルガーデン、いま攻略しに行ってやるからな!!!」




