ヘタクソかっ!!
「あのね、ボクがキカイを壊して、キミたちはもう塔の中にいなくて良くなって、全部解決したの。おわり」
「ヘタクソかっ!!」
「ふぇっ!?」
ふぇっ!? じゃねぇ!
今の説明は全く無意味でいらなかったぞ!
「はぁーー……私が間違ってた。シヴァに説明を頼んだ私が……」
「そ、そんなにおっきく溜息しなくても……」
はぁー、仕方ない。もともと“病み”を抱えたコミュ症で能無しロリなんだ。シャローム地下都市の平和のために、ここは私が説明をしよう。
「まずだな、私とチュチュがショシャナットと戦っている間、シヴァは“妖精の粉”を使って飛び、塔の階段の仕掛けを回避した」
ウシのショシャナットが空を飛んだあの日、私が試したかったのは“妖精の粉”で本当に空が飛べるのか。そして、それが叶うなら、塔の階段の仕掛けなんて、飛んで回避すれば上まで行ける。
「そんでシヴァは塔の上に行って、シャローム地下都市の市民の“負の感情”、“少しの記憶”、そして“魔力元素”を吸い上げて貯めるカラクリを破壊した」
それはおそらく魔術道具の類だったのだろう。塔丸ごとが魔術道具なんて、システムのコアでも破壊しない限り無謀だと思ったが、シヴァの瞬間出力があれば、そう難しいことではないと思っていた。
まぁ、実際は“病み”が発動して暴走しただけだったみたいだが……
「で、ショシャナットの代わりにシステムの核となっていたやつが解放され、偽りの平和を作り上げるシステムは機能しなくなり、シャローム地下都市に真の平和が訪れようとしていますとさ。めでたしめでたしってわけだ」
めでたしって言ったものの、ショシャナットはこれで終わるつもりは無いだろう。
なぜなら、ショシャナットは偽りの平和を守り続けるようにしか動かない。そのシステムを壊したとなれば、どんな手段を使ってくるか……
居心地の悪い間。緊張の糸は張り詰めたまま、私たちはしばらく睨み合う。が、ふとショシャナットの肩の力が抜けた。
「そっか、終わりなんだね」
どこかホットしたような、遠い目になるショシャナット。
正直、戸惑った。もうショシャナットからは、敵意を感じない。
脇腹を抉られた私も、両足があらぬ方向に曲がったチュチュも、もう限界。ショシャナットがその気になれば、私たちは一瞬で殺られてしまうだろう。
けれど、ショシャナットは私たちと戦うことをやめた。そして、
「じゃあ、シヴァ。あたしを壊そっか」
「……ふぇ?」
土にまみれた衣服を脱ぎさり、手に取った鋭い石のついた槍で、自分の背中をカッさばいた。
学校がないと電車にも乗らないので更新が遅くなっております。今日は学校があったので書きました♪




