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ミズタマ戦決着


 まっさらな空ににポツンと小さな白い点。

 その点は、次第に大きくなっていき、形も点ではなく、人の形をしていることがわかってきた。

 それは……


 「チュチュ?」


 でも、まさか……ありえないだろ。

 もしそうなら高さおよそ350メールの崖から飛び降りたということになる。


 しかし今や、その白さはチュチュの白い肌だということがはっきりと分かった。

 2つに結った水色の髪の毛をまるで竜のようにたなびかせ、両腕に抱えるようにして例の金属チェーンを持っている。


 チュチュは遥か下の砂浜めがけて真っ逆さまに落下してきた。

 否、チュチュは巨体ミズタマめがけて真っ逆さまに落下してきたのだ。


 そしてまさかチュチュが落下してくるとは夢にも思っていない巨体ミズタマは、私にレーザービームを発射すべく白く光ってエネルギーチャージをしている。


 そして、チュチュは腕に抱えていた金属チェーンをふわりと手放すと、


 「“馳せる馳せる 伝えよ稲妻 森羅万象我が想い”」

 

 落下の風圧に持っていかれぬよう、腹に力を込めて初心者スキル『ショック(1)』の呪文を唱えた。


 するとどうだろうか。

 落下しながらチュチュが手放した金属チェーンはチュチュが押し出した方向へと慣性に従い真っ直ぐに伸びていき、さらにそこに雷魔法の電気が走った。

 そしてそのまま白く光る巨体ミズタマを私の向こう側から、雷魔法の電気を帯びた金属チェーンで切り込みを入れていく。

 まるで本当に、水饅頭を黒文字で切り分けるように。


 レーザービームのエネルギーが、私の向こう側に入れられた切り込みから噴出されて海の方へ、遥か彼方へ放たれた。

 と思ったら巨体ミズタマの水部分に雷魔法の電気が流れ、内部の魔法元素の秩序が一気に乱される。

 

 その瞬間、目を潰されるほどの強い光に4本の指で目を、親指で耳を塞いだ。

 昔、学校の授業で戦争アニメを見させられた時に、主人公が爆風に目を、爆音に耳を殺られないようにやっていた方法だ。

 古い記憶だったが、とっさの時に役立った。

 まさか異世界転生後に役立つとは思っても見なかったが。


 波の音や風の音、鳥の声が一瞬世界から消えた。






 ──バッッッッッボーーーーーーーーーンッ……




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