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百合ってロリって迷宮攻略!~女嫌いリリスの苦難~  作者: いおり
第三章 シャローム地下都市
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人体実験反対! 動物保護法違反! 未知との遭遇は友好的にぃ!!!


店の前ではなんだからと、私はピタポケットを買うことを条件にクジャク姉弟に同行することを認めた。


「それで、私をどこへ連れていこうってんだよ?」


「ほはっへふぃへひははひ」


ピタポケットをただの安物と侮って、しぶしぶ購入し、口に運んだクジャク姉も、あら美味しい。とか呟いてから、すっかりピタポケットの虜になっていた。

汚いからちゃんと飲み込んでから喋れってんだ。


「おい弟、姉は……えーっと、確かクシャミ。クシャミは今なんて言った?」


「姉の名前はクジャナです。それと僕はクジャト。姉はいま、黙って付いてきなさいと仰いました」


第一印象からして姉に押されていた弟だが、こうして話してみると初めより悪い感じがしないやつだった。


「(ゴックン。) そうですわ、ロリっ子ちゃんは黙って私について来ればいいのですわ。そしてお静かに、優雅に振舞ってくださる?」


「口の周りにピタポケットのカス付けてやがる、見た目からして煩い女に言われたかねぇよ! ってか、私はロリっ子じゃねぇ!」


こうして血の繋がった男女を比べてみれば、女が男に比べて下等生物だと再確認させられる。

フェルとルーシーの時は、それほど顕著な差は見られなかった気がするが、クジャナとクジャトは一目瞭然だな。


「た、食べ滓なんて付けてないわよ! ……(ペロリ)。

じゃ、じゃあリリス、だったわね。リリス静かにしなさい。そんなのでも貴方は格式あるシャロームの舞の優勝者なのですから自覚なさい。ね、クジャト?」


さすが静かに食べ滓を舐めとった奴の言うことだな。いちいち格式とかうるせぇんだよ。


「へっ、優勝したからかって私は私を曲げるつもりは毛頭ない。

おいクジャト、お前も男なら私の味方をしろ」


「なーにを仰るの!? クジャトは私の弟よ! クジャト、リリスに味方する必要は無いわ。貴方は私の弟なんですから」


「弟だからなんだ。クジャト、こんなワガママで小煩いケバケバの言いなりになるな?」


「ケバケバですって!? リリスの方こそ、男なら自分の味方をしろとか、化粧もしていないようですし、随分と自信過剰なのではなくて!?」


「はぁ!? それどーゆー意味だよ!?」


「そのまんまの意味ですわ!」


「そ、そうか……」


「ムキー! それなのに、それなのに!!」


あっ、そろそろゴーレム人形にこの湧き上がる怒りが鎮められる頃合だ。

私の中の、クジャナに対する闘争心がスススッと身を引いていく。


だが、クジャナはなかなか鎮まらない。これだから癇癪持ちの女は……


「リリスはこんなに可愛くて美しいのに、どうしてもっとちゃんとしないのっ!?」


「いや、だって……」


「もっときちんとオシャレして、着飾って、優美に振る舞えば天下一品超絶完璧美少女の出来上がりというのに、それを貴方はぁぁあ!!!」


ん? 今なんて?

クジャナは何に怒ってんだ?


「おい待て。いったいお前は何に癇癪を起こしている?」


「癇癪なんて起こしていませんわ! 私はただ、素で超絶可愛いくて美少女のリリスをカンペキにするためにリリスを私達の家に連れ込んでメイクアップとドレスアップさせようとしているだけなのよ!!」


いや、そんなことは聞いて……って!! ぬぁにぃぃぃいーーー!?!?!?


「聞いてねぇぞ!!」


「言ってないもの」


サラっと当然のように何言ってやがるこのアマ!!


メイクアップにドレスアップと聞いて、すぐさまIターンしようとクルッと方向転換した時、クジャナの長くて、ブレスレットがいっぱい着いた腕に囚われた。


「逃がしませんわ。クジャト!」


私の右腕を掴んだクジャナの命令で、クジャトは私の左腕を掴み、私は囚われの宇宙人となった。


「やめろぉぉお! 人体実験反対! 動物保護法違反! 未知との遭遇は友好的にぃ!!!」


「リリス、何を言っているのか分かりませんわ」


「ぎゃああああああああお、お助けぇぇえ!!」


「ごめんよ、リリス。クジャナは綺麗で可愛い生き物が大好きなんだ」


まるで弟の定めは傲慢な姉を満足させることにあると悟りを開いたような言い方でクジャトは私ではなくクジャナの味方につき、私はクジャナとクジャトの家、ないしクジャナの女子部屋へと連行された。


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