表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百合ってロリって迷宮攻略!~女嫌いリリスの苦難~  作者: いおり
第三章 シャローム地下都市
210/264

だから塔は高い。


 シャローム地下都市、随一の観光名所であるこの塔の最上階には、この都市に住まう者から“負の感情”と“少しの記憶”と“魔力”を吸い取り、平和を保つ身代わりゴーレム人形が飾られている。

 だから塔は高い。この都市全体を一望できるようにするために。


 「高すぎる!」


 塔の階段を上り始めてかれこれもう三十分はたったか。しかも段差が一段一段高いからなかなか上るのに苦労する。


 「高すぎだろこれ。ってか、どうやって作ったんだよ……」


 だが、もうそろそろ頂上だろう。風を感じる。出口は近い。


 「おいチュチュ、大丈夫か………って、チュチュ?」


 今まで自分が上るのに必死すぎて後ろを振り返らなかった。抜かった。チュチュがいねぇ。


 「あー、置いてきちまったか。ったく、声くらいかけろよな」


 だが、ここまで来て戻るのもなんだかなぁ。せっかくだから最後まで上りきって、帰りにチュチュを探せばいいか。

 そう思ったときだった。


 「え?」


 足元の段差がいきなりなくなり、階段が滑り台になった。


 「はええええええ!?」


 ツルンと足元が滑り、そのままどんどん下へ下へと滑り落ちていく。


 上るのはあんなに苦労して時間もかかったのに、下りるのは簡単であっという間だった。


 「ふぎゃっ!」


 「うぎゅ………」


 勢い良く塔の外へと排出された私の下には、同じく滑り落ちてきたのであろうチュチュが目を回していた。

 ってか、私がチュチュを下敷きにして潰しちまった。


 「あたたた……っタァ!」


 慌てて飛び起きチュチュから距離をとるが、やべぇ。普通の女なら、幼女の体の私が転がってきたくらいではどーにもならねぇだろうがチュチュは……


 「リリス大丈夫?」


 「ああ、私は平気だ。けどお前……」


 チュチュの脚はダラリと歪な形になってしまっていた。


 「仕方ねぇ。ここは諦めて取り敢えず宿に戻るとするか」


 ああ、帰ったらショシャナットがうるさいんだろうな。シヴァを犠牲にしたことはこれっぽっちも心が痛まねぇが、どうなってしまったのかは想像もつかないから、取り敢えず両手を合わせておこう。まぁ、天に召されるような事には流石になっていないと思うが……



 チュチュを背負いながら宿に戻り、借りている部屋の扉を開こうとした時だ。


 「だ、だめだよ……ボクそんなに脚、開かないよ……」


 「恥ずかしがらなければもっとイケる。………ねぇ、もっと激しくしていい?」



 ど………どういう状況だ!?!?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ