シャローム地下都市行き、お願いしまーす!
冒険者ギルドへやって来た私達。
「えっ、リリスさん達もう次の迷宮へ行かれるのですか?」
依頼の掲示板を見ていると、職員さんが驚いたように話しかけてきた。
ってか、仕事中だろ。話しかけてくんじゃねぇ。働け働け。
「そうですね」
「ちなみに、どういったご依頼をお探しですか? お手伝いしますよ」
「自分で探すので結構です」
えーっと、土魔法の迷宮、土魔法の迷宮……っと。
「私の今回のオススメは、土魔法の迷宮、通称『シャローム地下都市』行きの依頼ですね。あそこは平和な迷宮ですから、観光のような気持ちで臨めますよ」
いや仕事だろ。
ってか頼んでもねぇのにオススメとかしてくんな。探している条件と合っているだけに腹立つな。
「んじゃテキトーにこれでいいですよ。えーっと、『牛神アピスのスキムミルク入手依頼。報酬金五千コレイ』ってやつ。けど、このアピスって何ですか?」
「えっと、確かシャローム地下都市で崇められている神様の一人で、シャローム地下都市の牛に乗り移りながらケモノ族達の暮らしを見守っておられるそうです。なんでも、アピスが乗り移った牛のミルクは粉状、つまりスキムミルクのミルクが出るのだとか」
「へぇ。じゃあ私達はそのアピスが乗り移った牛を見つけて、そのミルクを搾ればいいんだな」
「そのとおりです」
なんだ、楽勝じゃねぇか。
平和な迷宮。平和なケモノ族。平和な依頼。なんも気にすることはないな!
「じゃあ、この依頼を受けます。いいな? チュチュ、シヴァ」
一応、チームという名目だから二人にも確認を取る。ま、反対なんて生意気なことさせねぇけどな。
「チュチュはリリスに付いていくだけ」
「ぼ、ボクは置いていかれなければ……」
よし、けってーい!
「そんじゃ、シャローム地下都市行き、お願いしまーす!」
「お一人ワープ代、600コレイになりまーす」
持ち金2000コレイの私達。
所持金200コレイでシャローム地下都市へ出発をした。




