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研究所にて。


 研究所は、森には不似合いな白塗りの建物。大きさは、ルーシーが入っても余裕なほど。

 その扉を開き、中へ飛び込むと……


 「チュチュ!」



挿絵(By みてみん)


 そこには、大きな水槽に入ったチュチュが浮かんでいた。

 そしてもう一つ隣の水槽に、ルーシーが入れられていた。


 二人の口から気泡が出ているところを見ると、息はある。中身は呼吸ができる液体らしい。


 「チュチュ! チュチュ!」


 私はガラスを目一杯の力で叩いた。だが、ビクともしない。


 「無駄じゃ、リリス。そのガラスに通常物理攻撃は効かぬ。そして、生半可な魔力では決して壊れぬ。今、このケースを開けるスイッチを押してみたのじゃが、ビクともせん。もしかすると、ドクターに細工をされたのやも知れん」


 盾で体当たりしても、そのへんに転がっているパイプで殴ろうとも、傷一つ付かない。長老の言うとおり、こいつは一筋縄では行きそうもない。


 「くそっ! “炎の精霊 我の側に 具現化し 離れること無かれ!”」


 ファイアーサークルを発動させても結果は同じだった。

 私程度の魔力じゃあ、通用しないということか。


 「……そうだ、シヴァ!」


 「ふぇっ!?」


 急に呼ばれて、クマの後ろに隠れるシヴァ。

 ってか、クマ連れてきたのかよ。


 「なんでもいい、お前の力が必要だ。何か魔法を使って、この気味の悪いガラスケースをブッ壊してくれ!」


 「ぼぼ、ボクが!? むり、ムリだよ! ボクがやると中にいる子も壊しちゃう。むり、だめ、ボク、できないよ……」


 「ガルルルルルル……」


 シヴァをイジメるなとでも言いたげに、クマが私に威嚇する。


 「ウゥゥ……ガルルルルルル……」


 私はクマの瞳をまっすぐ見つめる。

 そして、唸るクマの鼻先に手を伸ばし、湿った鼻に手を添える。


 「頼む、お前の友達を説得してくれ」


 「ガルルルルルル………。」


 唸り声がピタリと止んだ。

 そうかと思うと、クマは90度体をひねり、シヴァと何か会話をする。


 「えっ、でも……ボク、ダメだよ、みんな死んじゃうよ……」

 

 「ウゥゥ……」


 一向に首を縦に振らないシヴァ。

 何を言っているのか分からないが、どうやらクマは私の味方になったらしい。


 「うん、うん、分かったよ……。やってみるよ」


 ようやく首を縦に振ったシヴァ。

 シヴァほどの魔力があればこのケースなんて木っ端微塵だろう。あとはコントロールを間違えずに、ちゃんと詠唱してやってくれれば……


 「えいっ!」


 シヴァがデタラメに両手を前に突き出すと、ものすごいエネルギーの魔法がガラスケースにぶつかった。


 「ちょ、詠唱忘れ……うわっ!」


 シヴァの魔法の風圧で吹き飛ばされる私達。

 まずい、こんなパワーでガラスをブッ壊したら中のチュチュが……!


 「……って、ダメなのか!?」


 研究道具の瓦礫の中から顔を出して見ると、ガラスケースは綺麗なままだった。

 なんてこった。


 「シヴァでもダメなのかよ……」


 「ぼ、ぼく、ダメだった、ぼく、やっぱりダメ……」


 「まずい! リリス、実験が始まってしまう!」


 長老の叫び声とともに、ガラスケースが光りだした。

 なにかが始まる。それが何かはわからないが、急がないと!


 「けど、どうすれば……」


 また病んだシヴァはクマに慰められている。かと思うと、なにか会話している?


 「そ、そうなの? うん、でも、……わかった、君がそういうのなら頼んでみるよ」


 シヴァはなにか決意を固めたように、一歩前へ出た。


 「あ、あのね、ボク、きっとこのガラスを壊せる魔法が使えるんだ」


 「マジか! どうするんだ? まぁ何でもいい、だったら早いことそれを頼む!」


 時間がない。焦る私。


 「で、でもね? ボク、確かにその魔法を知っているんだけど、どうしてか使えないんだ。

 で、でね? 今クマさんに相談したら、君が大きな白い鳥さんの背中に乗って空を飛んでいる時、鳥さんが聞いて、それでまたクマさんが聞いたんだけど、」


 森の情報網すげぇな。

 けど、私が白い鳥の背中に乗ってた? ……それってもしかして、コレーのことか?


 「君がボクの力を解放させる力を持っているって。

 クマさんはその方法は、君に聞けって言うんだけど、君、ボクの本当の力を解放できるの?」



今季アニメのお気に入りキャラのイラスト描いたよ☆*

Twitter↓

https://twitter.com/cPd3MIrvIF3iM9D/status/921545378624782336


みなさんの、今季アニメのオススメは??

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