激突!クマ攻撃☆
シヴァが呼び寄せたクマは、怒涛の勢いで私に迫ってくる。
「ギャァァァァ!!!」
額にキズ跡のある強面クマの急接近に思わず逃げる。
ってか、普通逃げる。逃げなきゃ殺される!
「なーにを遊んでおるんじゃお連れ様は」
敵の長老にも呆れられる有様。
いや、だったらお前もクマに追いかけられてみろってんだ!
私は全速力で走った。
だが、幼女 vs クマ のかけっこ。勝敗の行方は明らかだ。
クマはすぐに私に追いつき、尖った牙を私の首元に突きつけて……
「わっ!」
ヒョイと私を軽く持ち上げ、走ったまま私を背中に乗せた。
「ガルルルルルル……!」
えっ、えっとぉ……
私が逃げたの、怒ってらっしゃる? さっきチラッと見えたけど、顔面怖いことになってますよ?
「“クマさん、そのままあのゴブリンに突進して!”」
後ろからシヴァがクマに指示を出すと、クマは頷き、戦車のように長老に突進する。
「“クマさん、止まって!”」
うん、止まって?
シヴァの合図で急停止するクマ。
ものすごい勢いで走っていたクマが、見事にピタッと停止。
すると上に乗っていた私はどうなると思う?
「わっ!」
私の体は慣性の法則に従って、クマの背中から投げ出された。
それもミサイルのように。
なるほど、これなら長老も押し切れる。
って、なるか!!
「「ふぎゃっ!」」
一瞬の出来事に、身構える間もなく、投げ出された私は長老のシワシワの額に額をぶつけに行ってしまった。
私と長老の目の前に星が散る。
「……っててて……い、痛っえー」
私の頭の中の星が完全に消える頃には、長老は立ち上がっていた。
「わわわっ、ご、ごめん!
ボク、そんなつもりじゃ……お、怒らないで、怒らないで、怒らないで、怒らないで、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」
あぁ、またシヴァが壊れた。
これじゃあ怒鳴るに怒鳴れねぇ。
っていうか、壊れるシヴァのそばに控えるクマが私をガン睨みしてるんですけど!?
えっ、私のせい!?
「はわっ、ひぃぃぃいい〜!!」
私がシヴァ達に気を取られていると、長老が変な悲鳴を上げた。
どした、長老?
「か、賢き儂の大事な大事な脳細胞が……!
これまで生きてきて一度も叩いたことすら無かった儂の頭にアホゥの頭が……!
頭は叩くと馬鹿になる、儂は、儂は馬鹿になってしもうたぁぁぁーーー!!!」
一人で大騒ぎする長老。
なんだなんだ? 頭を叩くと馬鹿になるってのは聞いたことがあるが、まさか長老はそれを気にして嘆いているのか?
「あぁ……儂の大事な頭が……
もう儂はダメじゃ。儂は、儂は……」
なんだかよく分かんねぇけど、長老は戦意喪失したらしい!
ラッキー!
「そーだそーだー、長老はもうダメだー!
だから、長老のいう賢い子は諦めて良い老後を過ごすんだな! はっは!」
「そうか、子……かつての儂の賢き脳細胞を持つあやつらをすべて合わせれば儂の完璧な頭が復活する!」
……は?
コラボイラストの両背景が完成したよ!
あとはストーリーです♪間もなく始動!




