魔力コントロール下手くそすぎるだろ!
私を敵認識したシヴァは、あろうことか無差別攻撃を始めた。
なんだこれ頭がボーっとする……
甘ったるい……薔薇の香りだ。
シヴァの操る薔薇のツルが私たちを捕らえ、宙に浮かせた。
薔薇の花には棘がある。
しっかりと私たちの体を縛り上げる薔薇のツルに生えている棘が体に食い込み痛い。
「あぁんっ! いっ、うぐ……痛……気持ち、いい……」
痛い……はずなんだが、甘ったるい薔薇の香りを嗅いでいると……この強すぎるくらいの刺激が気持ちよく感じてきた。
「んっ、あ……」
ガンガンと容赦なく突き上げてくる薔薇の香りのせいで頭がおかしくなりそうだ。
はやくシヴァの誤解を説いて解放してもらわなくては。
かすむ視界の中でシヴァの姿を探した。
あ、長老やゴブリン兵達も私と同じように捕まっている。それからシヴァも……って、シヴァも!?
「シ、シヴァ……何捕まってんだよ……こんなこと、早く……やめて……んぁっ!」
「あれ? ボ、ボクちがうよ、あれれ? どうすればいいの? い、痛い。痛いよぉ……うぅ……上手くできない……魔力が上手くコントロールできないよぉ……」
な、なんだって!? はぅっ……!
そ、そうか。魔力コントロールは魔法発動者の精神状態に大きく左右される。
にしても魔力コントロール下手くそすぎるだろ!
更に悪いことに、魔力コントロールを失った事に更に精神状態が不安定になったのか、薔薇のツルは更にキツく私の体を締め上げてきた。
「シヴァ……お願い……せめて、やめなくてもいいから、んっ……もう少し、優しくして……」
シヴァは頬をバラ色に染めながらハァハァと肩で息をしている。太いツルに締め上げられ、そこから突起状に付いた棘に体のあちこちをを同時に刺激されて力無くクタッと頭を垂れた。
わ、私も今あんな感じになっちまっているのか……? そう思うと想像しただけでゾワゾワっとした感覚に襲われた。
「ボク……もう、だめ……」
「だ、だめ!……やめたら、私はどうなるん……んんあ……シヴぁ……なんとかし、ろ……これ、お前のだろ?」
「無茶いわないで……ボクだって……いっぱいいっぱい……うぅ」
「シゔぁ……がんばって……でないと私……おかしくなる……」
ハァハァ……はぅん! んっ、んっ、んぁっ、あっ、あっ、ああんっ! そ、そこは……ら、らめぇえ!!
「何をしておるお連れ様! 早うこのツルを焼き切らんかッ!」
カーンッと直説脳に響く長老の声に私の意識が覚醒した。
そ、そうか! 私の体に触れているこのツルならっ!
「“炎の精霊 我の側に 具現化し 離れること無かれ”」
ボゥゥっ! と、音をたててツル伝いに炎が燃え上がる。
薔薇の花はたちまち爛れ落ち、崩れるようにしてツルのタワーが消滅した。
おぉー……ファイアーサークル! お前実はこんなにできる子だったのか!
正直、鬼死女神コレーのせいで疑っちまってたがここへ来てのこの活躍!
もっと早く出会いたかったぜ、ファイアーサークル!
君こそ私のメシア様だっ!
服についた火の粉をパッパッと軽く払い、ファイアーサークルを褒めてやる。
にしても、さすが長老は貫禄あるなぁ。
シヴァの暴走攻撃にも一切屈せず、私と同じように火の粉を振り払うと、地面でヘタ張ってしまっているゴブリン兵たちをもう叱りつけている。
そしてこの地獄絵図に描かれそうな惨事を招いた張本人シヴァはというと……
「ボク……もう、ねむい……から、寝る……」
フカフカの芝生の上にドサッと横になり、スヤスヤと眠り始めた。
本当はこの回もっと長くて過激だったんですけど、カットアンドペーストに失敗して全消えしたので、書き直しまして……
うぅー、ちょっと残念。ってか、だいぶ萎え。
そうだ! ちょっとイラストまた描こうかな♪
よければ読者さんに、どのキャラのどんな姿が見たいか教えてほしいです♪
この回のシーンでもいいですよ〜笑
……とか言ってる間に勝手に描いていたりして笑




