後味の悪い勝利。
また今日の投稿、最後の部分が切れていたので、追加ですっ!
うーん、新しいスマホ、なかなか使いこなせない庵仁娯です。orz
「はいは〜い、そこまでっすね。
勝者、メシア様とお連れ様〜」
ゆるーいトロワの声と、パチンパチンと手を叩く音。
「よっしゃー!
ってことは、試験は合格だな!?」
「まぁ、テストとしては合格っすね」
「やったあああ!」
「けど、勝ち方としては、かなりいただけないっすね」
「……へ?」
トロワの顔は少しだけ厳しかった。
なんでだよ?
完璧な作戦だったじゃねぇか。
現に、カトロを騙せて1発当てるどころか首を掻き切れるところまで持って行ったんだぞ?
「お連れ様、あんたこれが実戦だったら今の作戦を決行したかい?」
「……」
「んま、そういう事ですわ。身のこなしや他の動きは良かったでっせ。盾使いだと思っていたお連れ様がロングソードでとどめを刺すっていう発送もべりーぐっどっす」
トロワの言いたいことが分かった。
もし相手がカトロじゃなくて、本物の敵なら、私はそいつを倒すためにチュチュを貫けただろうか?
たとえ、どんなにそうしなければならないような鬼気迫る状況下だったとしても私は……
「チュチュ」
パワーブースターをバケツに浸しているチュチュに声をかけると、コテン? と、ハテナマークを頭に出したようなポーカーフェイスと首を傾げる仕草を同時に向けてきた。
「なに?」
「……いや、その」
ええっと、私はなんて言おうとしたんだ?
「あれだ。お前は今回、チュチュが使い物になるかどうかは私が決めるとか言っていたが、それは違うぞ」
さらに、んんっ? と、首を傾けるチュチュ。
「前にも言ったろ? 私は、お前が必要なんだ。だから、もう今回みたいな戦い方はしない。分かったな」
チュチュは、うん。と、頷いたが、こいつ本当に分かってんのか?
これ以上何か言いたいわけでもないしな。
「リリス」
「ん?」
「ごめんね」
「……」
ばかか。それはこっちの台詞だってーの。




