買い物上手の勲章を得た。
「んでだ、お連れ様」
と、トロワが何やら頭を掻きながら、チュチュの「雷鳴」にやられて真っ黒になった何かを差し出してきた。
「これは?」
「ちょっと言い難いんだけど、お連れ様の盾、借りさせてもらいやした」
「ってことは、それ……」
「へへっ、すんません」
Noooooo〜!!!My盾ぇぇえ!!!
まだ全然使えてなかったのに……
もっと使ってやりたかったのに……
「その辺に転がってて、咄嗟だったんでつい」
トロワも悪気は無いし、むしろユィやチュチュを守ってくれた恩人だ。
私は謝られる筋合いは無い。
「いや、大丈夫だ……
まだ使えるし、むしろこの焦げは、すさまじい威力の雷を防いだ証としてこの盾の勲章となるだろう」
「お連れ様、言ってることはカッコイイっすけど、泣いてますぜ?」
「いいんだ、いいんだ。
その時の使い手が私じゃなくたってこの盾の誇りは私に受け継がれるっ」
「よければ新しいのをご用意しやすけど……」
「それはいい。なんだかんだ言ったって、私はコイツを使ってやりたい」
これは割と本気でそう思う。
だって、この盾は初めて買った盾だし、なんと言うか、すごく私に合っている気がするからだ。
それに、いくら雷と相性の良い素材である木で作られていたとはいえ、あの威力の稲妻を防いだとなると、この子意外とタフなのねっ!
新発見だわっ!
軽くて耐久力もあって、しかも格安だった!
私ってばもしかして、超買い物上手だったんじゃね?
今更ながら得した気分だ。