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特殊稽古のわけ。


 翌日、朝から軽くトロワとカトロに稽古をつけてもらった私たち。


 私は相変わらずクワを振り回してはトロワに受け流されるというシールダーの稽古になっているのかどうだかサッパリな稽古。


 チュチュはサンク発明、パワーブースターを履き、カトロに空高く放り投げられていた。


 「なぁ、カトロのあの稽古、なんの意味があんだ?」


 休憩中、私はトロワに尋ねた。


 「あー、ありゃ速度に耐性つけたり突撃の感じを叩き込んでんすよ」


 ……ん?


 「メシア様は魔法剣士だからシールダーとのコンビでは攻撃のために率先して敵に突っ込んでいかなきゃなんない。メシア様の魔力量じゃあパワーブースター履いてりゃ相当な速度が出せるっすけど、その速度にメシア様が慣れてなきゃ意味がない」


 「なるほどな。つまり、あぁやってスゲー勢いで投げられてんのはスピード感に慣れるためってわけか」


 「そゆこと。んで、あとは攻撃役がビビってたんじゃあ敵を倒せないっすから、恐怖心の克服と突っ込んでいく感じを練習させてるってわけ。よーく見てみんな」


 目を凝らして空高く打ち上がったチュチュを見ると、ただ投げられているだけではなく、剣の構えで落下の直前に剣を突き出すようなシュミレーションをしていた。


 「なるほど理解した。だが、チュチュに敵に突っ込む恐怖心なんか無いと思うぜ。なんせチュチュのスキルには『攻めの姿勢』がある」


 ぐっと伸びをして筋肉痛の上半身を地面から持ち上げる。


 「なら、その『攻めの姿勢』のスキレベが上がってるかも知んないっすね」


 ケラケラ笑うトロワ。

 だが、私は笑うどころか、サッと血の気が引いた。


 「勘弁してくれ!あいつの『攻めの姿勢』がこれ以上上がったら命が持たない!」


 私が冗談でも言ってると思ったのか、トロワは更に大きな声で笑った。


 「お連れ様、大袈裟でっせー」


 「大袈裟じゃねぇーってーの!」


 チュチュのパワーアップを喜ぶ反面、「攻めの姿勢」のパワーアップがある以上、私は手放しで喜んでもいられないと思った。


 「だったら、お連れ様も強くなって命を落とさないようにしてくだせぇな」


 なるほど、それもそうだ。


 「よし、トロワ! もういっちょお願いしまーっす!」


 そしてお昼まで私とチュチュは稽古に励んだ。


 


 昼食後、トロワとカトロはそれぞれ畑でやる事や武器の調整などの仕事の続きがあるため、私たちはアンの香水コレクションを見せてもらうことになった。



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